ニキビ跡には、赤み・色素沈着・クレーター(凹凸)の3つのタイプがあり、それぞれに適した治療が異なります。

当院では、皮膚科専門医がお悩みのタイプを確認した上で、最適な治療をご提案します。まずはお気軽にご相談ください。

ニキビ跡とは

ニキビ跡

ニキビ跡とは、ニキビが治ったあとに肌に残る赤み・色素沈着・陥没(クレーター)などの痕跡のことを指します。
炎症が強かったニキビや、繰り返しできたニキビ、無理に潰してしまったニキビは、肌の構造を深く傷つけ、跡が残りやすくなります。
こうしたニキビ跡は一度できると自然に改善するのが難しく、美容皮膚科での治療が必要になることも多いのが実情です。
特に、色素沈着や陥没などの目立つニキビ跡は、化粧で隠しきれず、長年悩みの原因になることも少なくありません。
ニキビ跡は単に見た目の問題だけでなく、自己肯定感にも影響を与えるため、早めの対処が大切です。

ニキビ跡治療については「ニキビ跡治療の効果やダウンタイム」で詳しく解説しています。

ニキビ跡の原因

ニキビ跡ができる主な原因は、ニキビの炎症が肌の深い層(真皮)にまで及んでしまうことです。
毛穴に皮脂が詰まり、そこにアクネ菌が繁殖すると炎症が生じます。
炎症が強く長引くと、周囲の組織を破壊し、その修復過程で色素沈着や瘢痕が残ってしまうのです。
また、ニキビを自分で潰してしまったり、洗顔時の摩擦が強すぎたり、紫外線を浴びることで炎症が悪化しやすく、結果的にニキビ跡ができやすくなります。
肌のターンオーバーが乱れている状態や、ホルモンバランスの乱れ、間違ったスキンケアもニキビやニキビ跡の原因となるため、肌質や生活習慣の見直しも大切です。

ニキビ跡の3つのタイプ

ニキビ跡にはいくつかの種類があり、それぞれできるメカニズムが異なります。
まず、「炎症後紅斑」と呼ばれる赤みは、ニキビの炎症が収まった後にも血管が拡張したままになり、肌表面に赤みとして残る状態です。
次に、「炎症後色素沈着」は炎症によってメラニンが過剰に生成され、色素が皮膚に沈着することによって生じます。
そして最も治療が難しい「クレーター(陥没)」タイプは、炎症によって真皮層のコラーゲンが破壊され、肌の構造が崩れたまま瘢痕化したものです。
クレーターの中は主に3種類に分かれます。

ニキビ跡の断面図(アイスピック型・ボックスカー型・ローリング型)


ローリング型:表面が波打つような浅い凹凸が広範囲に現れるタイプで、ピコフラクショナルレーザー、サブシジョンなど表皮から浅真皮へアプローチする療法が効果的です。
ボックスカー型:縁がはっきりした凹みで、垂直に陥没するタイプです。サブシジョン+ヒアルロン酸注入やCO₂レーザーにてクレータの辺縁を削る治療が適応です。
アイスピック型:直径2mm未満の細く深いV字型で最難治性です。TCA CROSS法(高濃度トリクロロ酢酸塗布)やサブシジョン併用、CO₂レーザーによるピンポイント治療で深層コラーゲン再生を促進します。
いずれのニキビ跡も、ニキビの炎症が長引いたり、自己処理を行ったりすることで悪化するため、早期に適切な治療を行うことが重要です。

ニキビ跡のタイプ別治療

ニキビ跡は「赤み」「色素沈着」「クレーター(凹凸)」の3タイプに分けられ、それぞれ適した治療が異なります。複数のタイプが混在している場合も多く、当院では症状の組み合わせに応じた治療プランを提案しています。

赤み(炎症後紅斑)に対する治療

ニキビの炎症が収まった後も血管が拡張したままになり、肌表面に赤みとして残る状態です。光治療で血管にアプローチする治療が有効と考えられています。

光治療(ステラM22)

IPL(Intense Pulsed Light)と言われ、光を照射することで、赤みや色素沈着を穏やかに改善し、肌のトーンも整え、ニキビによる炎症後の色味の残りに効果的とされています。

他のIPLと異なりステラM22は複数の波長フィルター(590nmで赤み、515/560nmで茶色の色素沈着)を搭載し、症状に応じて赤み・色素沈着どちらにも最適な光を選択・組み合わせ照射できます。これにより、ニキビ跡の赤みも茶色く残った色素沈着も同一機器で効率的に改善し、ダウンタイムや副作用も軽度に抑えられる点が大きなメリットです。

ステラM22
項目内容
推奨回数5回~(原則ステラM22と同日に実施)
主な副作用ほとんどなし
ダウンタイムほぼなし
禁忌ペースメーカー装着中の方など

色素沈着(炎症後色素沈着)に対する治療

炎症によってメラニンが過剰に生成され、茶色や暗い色として皮膚に残る状態です。ターンオーバーを促すピーリングや、メラニンに作用するレーザーが有効と考えられています。

当院では、ケミカルピーリング・ピコトーニング・エレクトロポレーション(ケアシス)の3つを同日にまとめて行う施術を基本としています。

レーザー治療(ピコシュアプロ)

ピコレーザー

色素沈着タイプのニキビ跡に対しては、ピコシュアプロのピコトーニングモードでメラニンに広くアプローチします。

当院ではケミカルピーリング・エレクトロポレーション(ケアシス)と同日に組み合わせて行うことを基本としています。

ケミカルピーリング

サリチル酸マクロゴールなどの薬剤で古い角質を除去し、ターンオーバーを整えます。
赤みや色素沈着タイプのニキビ跡、ニキビの中の面ぽうが併発している方に有効と考えられています。

当院では、色素沈着に対するケミカルピーリングは、ピコトーニング・エレクトロポレーション(ケアシス)と同日に組み合わせて行うことを基本としています。

項目内容
推奨回数4週間に1回、5回~
主な副作用ピリピリ感、赤み
ダウンタイムほぼなし~1日程度
禁忌なし

エレクトロポレーション(ケアシス)

エレクトロポレーション

ケアシスは色素沈着タイプにも有用です。

ピコトーニングと同日に行うことで、施術後の肌に有効成分を届けます。トラネキサム酸は、ニキビ跡の赤み・炎症後色素沈着への効果が期待できる成分です。毛穴の目立ちが気になる方には、ペップビューを用いた施術もご案内しています。

推奨回数・副作用・ダウンタイムの詳細は、上記「赤みに対する治療」セクションのエレクトロポレーションをご参照ください。

クレーター(凹凸)に対する治療

炎症によって真皮層のコラーゲンが破壊され、肌が陥没した状態です。凹みの深さや形状によって適した施術が異なります。他のタイプと比べてダウンタイムが長くなる場合があります。

サブシジョン(トライフィルプロ)※自由診療

トライフィルプロ

トライフィルプロは、CO2ガス(炭酸ガス)によるサブシジョンと薬剤注入を同時に行える点がダブルメリットです。炭酸ガスで癒着した瘢痕組織を切断・剥離し空間を作り、そこに治療薬剤を確実に注入できます。さらに再度CO2ガスを注入して薬剤を均一分散させ、ボーア効果により血流・酸素量を増加させてコラーゲン産生を促進します。この二重のアプローチにより、従来のサブシジョンより精密で効果的な治療が可能となります。

項目内容
推奨回数3回以上(重症度により調整)
主な副作用内出血、腫れ、痛み
ダウンタイム1~2週間
禁忌出血傾向のある方、感染症のある部位

サブシジョン(用手法)

鋭針、またはマジックニードルといわれるやわらかい針を皮膚に挿入し、瘢痕を引き起こす線維束を用手的に切断・剥離します。局所麻酔下で凹部周囲に数か所針孔を開け、平滑にスライドさせながら線維束を断ち切ります。同時にヒアルロン酸などを注入して空間を維持し、コラーゲン再生を促進するとともに、再癒着を防ぎます。

項目内容
推奨回数3回以上(重症度により調整)
主な副作用内出血、腫れ、痛み
ダウンタイム5~10日程度(内出血1?2週間)
禁忌妊娠中、出血傾向のある方、抗凝固薬服用中、感染症のある部位

複合タイプ・難治性ニキビ跡に対する治療

複数のタイプが混在している方や、ニキビが繰り返し起きてニキビ跡が増え続けている方には、ニキビ自体の治療と並行して進める方法も選択肢のひとつです。

内服治療(イソトレチノイン)※自由診療

アクネトレント

ビタミンA誘導体で皮脂分泌を強力に抑制し、重症ニキビや難治性の炎症性ニキビを改善します。主に難治性ニキビの治療に使用され、新たなニキビ跡の形成を予防し、既存のニキビ跡の進行を食い止めます。治療期間中および治療後も厳格な避妊管理が必要です。

項目内容
推奨回数6ヶ月目安(医師の判断で調整)
主な副作用口唇の乾燥、肝機能障害、胎児奇形(妊娠中は禁忌
ダウンタイム服薬中の乾燥症状あり
禁忌妊娠中、授乳中、肝疾患、うつ病既往など

どのタイプのニキビ跡かわからない場合も、まずはご来院ください。皮膚科専門医が診断し、最適な治療をご提案します。

肌育治療(リジュラン)※未承認治療

リジュラン

主にクレーター状のニキビ跡(凹凸)の改善に高い効果が期待できます。同時に肌質の根本的再生とターンオーバー正常化を促進します。また、抗炎症作用により炎症後の色素沈着改善もサポートします。」この3つの効果が相乗的に作用することで、総合的なニキビ跡治療効果が期待できるのがリジュランの特徴です。

推奨期間

2〜3週間ごとに3〜4回の施術

副作用

注射部位に一時的な赤み・腫れ・内出血・かゆみ・しこり感など

ダウンタイム

針跡による赤みや軽い腫れが1〜3日程、メイクは翌日から可能です

禁忌

妊娠中、授乳中、皮膚感染症、アレルギーのある方など

ニキビ跡治療の詳しい方法やダウンタイムについては、「ニキビ跡」のページで詳しく解説しています。

当院のニキビ跡の治療方針について

ニキビ跡とひとくくりにはされますが、症状の出方や肌質は一人ひとり異なります。
当院ではまず肌診断機器「VISIA」などを活用して、現在の状態を的確に把握していきます。
そのうえで、症状に応じて最適な治療法を提案いたします。
それぞれの治療を単独で行うだけでなく、複数の治療を組み合わせることで、より高い効果を目指します。
また、再発予防やニキビができにくい肌を目指したスキンケアの指導も重視しています。
気になる跡をあきらめずに、まずはご相談ください。

皮膚科専門医による診断と治療プランの提案

ニキビ跡を残さないためのスキンケアと生活習慣

ニキビ跡を残さないためには、まずニキビの段階で適切な対処をすることが大切です。炎症が強い場合は早めに皮膚科を受診し、自己処理(つぶす・強く洗う等)は避けましょう。

スキンケアでは、以下のポイントが参考になります。

  • 毛穴の皮脂汚れをしっかり落とすため、低刺激のクレンジングオイルを使用する
  • 毛穴詰まりを起こしにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」の化粧品を選ぶ
  • ビタミンCなど、皮脂コントロール成分を取り入れる
  • アゼライン酸は、皮脂抑制・抗炎症の効果が期待できる成分です
  • ナイアシンアミドなど、肌バリア補助成分を取り入れる
  • 紫外線は色素沈着を悪化させるため、日焼け止めを年間通して使用する

当院では、院長監修のクレンジングビタミンC製品も取り扱っています。

生活面では、十分な睡眠・バランスのよい食事・ストレス管理が肌の修復を助けます。スキンケアに迷いがある方は、受診時にご相談ください。

ニキビ跡を予防するための生活習慣・スキンケアのポイント

ニキビ跡を残さないためには、まずニキビができた段階で適切な対処をすることが大切です。
ニキビを指や爪で潰すことは絶対に避け、炎症が強い場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
当院ではニキビケアの中でも、皮脂コントロールが最も重要だと考えています。

1.低刺激なクレンジングオイルによる皮脂除去
当院では低刺激性のクレンジングオイルで毛穴の奥の皮脂や汚れをしっかりと落とすことを推奨しています。オイルは皮脂や油性の汚れを効果的に溶かし、毛穴詰まりを防ぎます。一方で洗浄力の弱いジェルやミルクタイプのクレンジング洗顔で汚れ落ちが不十分だとニキビの悪化のリスクになりえるため、注意しましょう。

2.ノンコメドジェニックスキンケアの徹底
毛穴詰まり(コメド)を起こしにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」の化粧品を選び、アクネ菌の繁殖を抑制します。

3.皮脂抑制成分の積極活用
ニキビができやすい方は以下の成分を取り入れましょう。

  • ビタミンC:抗酸化作用と皮脂分泌抑制効果
  • アゼライン酸:皮脂抑制・抗炎症・角化異常改善効果
  • ナイアシンアミド:皮脂分泌抑制と肌バリア機能改善

4.適切な保湿バランス
過剰な保湿は毛穴詰まりを悪化させるため、肌に必要な水分は与えつつ、油分は控えめにすることが重要です。
乳液とクリームのW使いはニキビ肌の方には過剰保湿となり、皮脂分泌を乱してニキビを誘発するリスクがあるためどちらか片方を使用することを当院では原則推奨しています。

5.定期的な角質ケア
ピーリング洗顔やAHA・BHAなどのピーリング成分配合製品で古い角質を除去し、毛穴詰まりを予防します。

その他の重要なポイントとして、紫外線は炎症後の色素沈着を悪化させるため、日焼け止めは一年を通して使用しましょう。
また、十分な睡眠・栄養バランスのよい食事・ストレス管理といった生活習慣の見直しも、ニキビの再発予防と肌の修復に役立ちます。
過剰なスキンケアや自己判断による薬剤使用は逆効果になることもあるため、気になる症状は早めに医師に相談することが肝心です。

ニキビ跡治療に関するよくある質問

Q. ニキビ跡・クレーター治療は保険適用になりますか?

クレーター(凹凸)・赤み・色素沈着などニキビ跡の治療は、美容目的とみなされるため基本的に保険適用外(自由診療)となります。現在進行中のニキビに対する外用薬・内服薬については保険診療で対応できる場合があります。ご不明な点は受診時にご確認ください。

Q. 何回くらい通えば効果を実感できますか?

治療法や症状の程度によって異なります。赤みや色素沈着は比較的早期に変化を感じられる場合もありますが、個人差があります。クレーターは継続的な治療が必要で、重度の場合は数ヶ月?1年程度かかることがあります。まずはカウンセリングで現在の状態を確認し、治療計画をご提案します。

Q. ダウンタイムはどのくらいですか?

施術によって異なります。光治療・ピーリング・エレクトロポレーションはほぼダウンタイムなし?1日程度です。サブシジョン・トライフィルプロは内出血や腫れが1?2週間程度程度続くことがあります。詳しくは各施術ページまたは来院時にご確認ください。

Q. ニキビが残っている状態でも治療を受けられますか?

炎症中のニキビが多い場合は、まずニキビ自体の治療を優先することをお勧めします。当院は保険診療を行っているため、ニキビの状態に合わせた最適な治療を保険診療の範囲でご提案できます。炎症が強く繰り返す場合には、イソトレチノイン(自由診療)をご案内することもあります。ニキビとニキビ跡が混在している状態でのご相談もお受けしていますので、お気軽にご来院ください。

Q. 赤みとクレーターが両方あります。どちらから治療しますか?

症状の組み合わせや優先度は人によって異なります。当院ではVISIA肌診断で現在の状態を確認し、タイプ別に最適な治療の順序・組み合わせをご提案します。複数のタイプが混在している場合も、まとめてご相談ください。

未承認医薬品等に関するご案内

・未承認医薬品であることの明示
本施術に使用する医薬品は、医薬品医療機器等法上、未承認医薬品です。

・入手経路等の明示
施術に用いる医薬品および機器は、当院医師の判断の元、国内輸入販売代理店を通じて個人輸入手続きを行ったものです。

・国内の承認医薬品等の有無の明示
同一の性能を有する国内承認医薬品・医療機器はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報の明示
諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。

リジュランは、韓国食品医薬品局(MFDS)の承認を受けています。

EU加盟国の安全基準条件を満たすことを証明する「CEマーク」を取得しています。

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修医師

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

皮膚科専門医

医学博士

経歴

2010年 京都大学医学部医学科 卒業
2019年 京都大学大学院医学研究科 皮膚科学博士課程修了
2025年 新宿駅前IGA皮膚科クリニック開院

所属学会

日本皮膚科学会

資格

・皮膚科専門医
・医学博士

SNS

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