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VISIA(VISIA® Evolution)とは

VISIAは、米国Canfield Scientific社が開発した最新型の肌画像解析システムです。
高精度カメラと独自の解析ソフトウェアを組み合わせ、肌表面から深部までを多角的に撮影・分析するもので、世界中の美容クリニックや皮膚科で導入実績があります。
VISIAの最大の特徴は、RGBカラー画像、クロス偏光画像、UV画像など複数の撮影モードを駆使して、シミ・しわ・毛穴・赤み・皮脂・ポルフィリン(ニキビの原因菌が産生する代謝物)などを正確に可視化できる点です。
従来の肌診断機器と比較して解析精度が非常に高く、経時的な変化も数値で記録できます。
これにより、治療前後の比較や経過観察が容易になることが期待できます。
VISIAの機能

シミ解析
肌表面に見えるシミだけでなく、まだ肉眼では確認できない「隠れジミ」まで検出します。
RGB撮影では現在目立っている色素沈着を、UV撮影ではメラニンの沈着傾向を可視化し、将来的にシミとして表面化する可能性を早期に把握できます。
これにより、予防的な美白ケアやレーザー治療の計画が立てやすくなることが期待できます。
詳しくはシミ・そばかす治療(ピコシュア・ステラM22)もご参照ください。
しわ解析
表情じわや加齢による静止じわを、深さ・長さ・位置ごとに測定します。
微細なしわも検出でき、保湿やハリ改善治療の効果判定に役立ちます。
また、将来的に深く刻まれるリスクがある浅いしわの段階で介入することも可能です。
詳しくはしわ治療(ボツリヌストキシン注射・ヒアルロン酸)もご参照ください。
毛穴解析
毛穴の大きさ、開き方、詰まり具合を数値化します。
開き毛穴や黒ずみ毛穴、たるみ毛穴など種類ごとの状態を判別でき、適切な治療選択(ピーリング、光治療、肌育治療等)につなげます。
詳しくは毛穴治療(トライフィルプロ・ケミカルピーリング)もご参照ください。
肌のきめ解析
肌表面のなめらかさや凹凸を解析し、キメの乱れや粗さを明確にします。
乾燥や加齢、紫外線ダメージなどによる肌表面の変化を客観的に把握でき、美容施術やスキンケアによる改善度を客観的に比較することが期待できます。
ポルフィリン解析
ニキビ原因菌(アクネ菌)が産生する代謝物である「ポルフィリン」を検出します。
これにより、皮脂分泌やアクネ菌の活動度を把握し、ニキビ治療の効果判定や再発予防に役立ちます。
詳しくはニキビ治療もご参照ください。
UV解析(隠れジミ解析)
紫外線撮影によって、肌表面下のメラニン沈着や色素異常を可視化します。
表面化前にリスクを把握することで、早期の美白治療やUV対策を行えます。
肌年齢解析
各種解析データを総合的に評価し、同年代との比較によって「肌年齢」を算出します。
数値化されることで肌状態の客観的評価が可能となり、治療やスキンケアの成果をモチベーション高く継続する一助となることが期待できます。
まつ毛の解析
まつ毛の長さとボリュームを解析し、平均値と比較し5段階で評価ができます。
こんな方におすすめ
- 自分の肌状態を客観的に把握したい方
- シミ・しわ・毛穴など複数の悩みを総合的に評価したい方
- 美容施術の効果を数値や画像で確認したい方
- 予防的スキンケアや早期治療を希望される方
VISIAによる検査・カウンセリングをおすすめする理由
VISIAによる詳細な解析は、その後の治療方針を的確に決めるための「設計図」となります。
たとえば、シミと赤みが混在している場合、IPLやレーザー治療の優先順位や照射条件を最適化できます。
また、毛穴トラブルの原因が皮脂過剰か、肌のハリ不足かを見極めることで、光治療とスキンブースターの組み合わせなど、より効果的な施術プランを立てることが期待できます。
治療後も同条件で撮影することで、改善度を客観的に評価し、次のステップに活かすことが期待できます。
当院では3ヶ月に1回を目安に撮影を行っています。
VISIAの注意点
デメリット・副作用
撮影時にフラッシュ光を使用しますが、肌へのダメージや痛みはありません。
禁忌
特にありませんが、光に過敏な方や強い日焼け、極端な肌炎症がある場合は事前相談が必要です。
推奨回数
治療開始前(カウンセリング時)・治療中(3~6ヶ月ごと)・治療後など、定期的な撮影がおすすめです。
VISIAの検査の流れ
1.カウンセリング
お悩みやご希望、目的をお伺いします。
2.メイクオフ
メイクを落とし、肌を清潔な状態にします。
3.撮影
専用ポジションで顔を固定し、標準光・クロス偏光光・UV光で撮影します(約5分)。
4.解析
撮影データをソフトウェアで詳細に解析します。
5.結果説明
画像と数値をもとに医師・スタッフが解説を行います。
6.治療提案
結果に応じた適切な施術やケアのプランをご提案します。
未承認医薬品等に関するご案内
・未承認医薬品であることの明示
本施術に使用する医薬品は、医薬品医療機器等法上、未承認医薬品です。
・入手経路等の明示
施術に用いる医薬品および機器は、当院医師の判断の元、国内輸入販売代理店を通じて個人輸入手続きを行ったものです。
・国内の承認医薬品等の有無の明示
同一の性能を有する国内承認医薬品・医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報の明示
諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。

監修:
新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業