酒さ(しゅさ)は、30代から50代の大人に多く見られる慢性的な顔面の皮膚疾患です。
放置すると赤みが定着したり、皮膚が厚くなって盛り上がったりするリスクがあるため、早めの治療が大切です。

当院では、皮膚科専門医が症状に合わせた保険診療の内服薬や外用薬による治療を行っています。
お薬による治療だけでなく、悪化要因となる刺激を避けるための生活習慣やスキンケア指導にも力を入れています。

顔のほてりや赤みがなかなか引かない、鼻の周りの毛細血管が目立つといった症状でお悩みの方は、新宿駅前IGA皮膚科クリニックにお気軽にご相談ください。

酒さとは

酒さ(しゅさ)

酒さ(しゅさ)は、主に顔面に慢性的な赤みやほてり、小さなブツブツ(丘疹・膿疱)などが生じる慢性炎症性皮膚疾患です。

頬、鼻、額、あごといった部位に出やすく、毛細血管が拡張して赤みが目立つようになります。

お酒をよく飲む人にみられると考えられていたため「酒さ」と呼ばれますが、実際には飲酒と関係なく発症することも多く、体質や皮膚のバリア機能の低下、外的刺激などが関係しています。

30代以降の成人、特に40~60代の女性に多く見られる傾向がありますが、近年では20代の女性でも見られ、また男性でも発症することがあります。

特に敏感肌で、赤くなりやすい、熱を持ちやすいといった特徴を持つ方が発症しやすいとされています。

また、酒さは他の疾患と見分けがつきにくいことも多く、長期間、別の皮膚疾患と思い、過ごしている方も少なくありません。

進行性の皮膚病であるため、早期に適切な診断と治療を受けることで症状をコントロールし、悪化を防ぐことが重要です。

見た目の変化による精神的な負担も大きいため、当院までお早めにご相談ください。

酒さの症状

酒さは、主に顔面に現れる慢性的な炎症性疾患です。見た目の特徴から「赤ら顔」と表現されることも少なくありません。症状は個人差が大きく、また体調や環境によって良くなったり悪くなったりを繰り返すのが大きな特徴です。

肌荒れやニキビと見分けがつきにくいこともありますが、適切なケアをせずに放置すると徐々に進行してしまうため、まずは自分の肌状態を正確に把握することが重要です。

酒さは、放置していても自然に完治することは少なく、段階的に進行していく性質があるため、まずは自分の肌に起きている変化が「一時的な肌荒れ」なのか、それとも「酒さ」なのかを正しく見極める必要があります。

主な症状

酒さで見られる主な症状は、以下の通りです。

  • ほてり
  • 赤ら顔
  • ブツブツ(丘疹)
  • 膿をもったできもの(膿疱)
  • 鼻瘤
  • 眼の充血や異物感

ほてり、赤ら顔

酒さの症状は、段階的に進行することが多く、初期には顔面のほてりや一時的な赤ら顔として始まります。

時間が経つにつれて赤みが持続するようになり、皮膚表面に毛細血管の拡張がみられるようになります(紅斑型)。

この段階では、日差しや温度差、辛い食べ物、アルコールなどが引き金となって赤みや火照りが悪化することがあります。

ブツブツ(丘疹)、膿をもったできもの(膿疱)

中等度から重度になると、赤みの中に小さなブツブツ(丘疹)や膿をもったできもの(膿疱)が現れるようになります。


これは一見ニキビに似ているため、「大人ニキビ」と思い込んで市販薬を使ってしまう方もいますが、ニキビとは発症の仕組みも治療法も異なり、誤った対応によって悪化することもあるため注意が必要です。

鼻瘤

さらに進行すると、皮膚の厚みが増したり、特に鼻がごつごつと変形してくる「鼻瘤(びりゅう)」と呼ばれる状態に至ったりすることもあります。


この状態は、主に中高年の男性に多くみられますが、日本人ではあまり多くないとされています。

眼の充血や異物感


酒さは眼にも影響を及ぼすことがあり、「眼型酒さ」と呼ばれる眼の充血や異物感、かゆみ、乾燥、涙目、まぶしさなどの症状が出ることもあります。

進行すると現れる症状

症状がさらに進行すると、赤みに加えてブツブツとした変化が見られるようになります。一見するとニキビと非常に似ていますが、酒さの場合はニキビ特有の毛穴づまりやコメドが見られないのが大きな違いです。

赤く盛り上がった丘疹や、膿を持った膿疱が広範囲に広がり、肌の表面が凸凹とした質感に変わっていきます。

さらに重症化が進むと、皮膚の結合組織や皮脂腺が増殖し、特に鼻の皮膚が厚くなって凸凹と隆起し、みかんの皮のような外見になる鼻瘤(びりゅう)が形成されることがあります。

また、目がゴロゴロしたり違和感が出たりなど、目に影響が出ることも少なくありません。このように、酒さは進行するにつれて顔全体の造作や感覚器にまで影響を及ぼす可能性があるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

酒さの原因

酒さの明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、外部環境、皮膚のバリア機能の低下や免疫異常、血管の過剰反応、皮膚常在菌の関与、遺伝的素因、など、複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。

まず、体質的な側面として「血管の反応性」が挙げられます。健康な肌であれば、温度変化などに応じて血管が拡張・収縮を繰り返しますが、酒さの患者さんは血管を収縮させるコントロール機能が弱く、一度広がった血管が拡張したまま戻りにくくなっている状態です。

また、遺伝的な要因も無視できません。このように、単一の引き金ではなく、内因的な素質と外的要因が積み重なり発症すると考えられています。

外的要因

血管の拡張

まず、酒さにおいて最も特徴的なのが「毛細血管の拡張」です。

これを悪化させる因子としては、以下のものがあります。

  • 寒暖がはっきりした環境(特に寒冷曝露)
  • 熱い飲み物
  • アルコール
  • カフェイン
  • 香辛料の効いた食べ物の摂取
  • 紫外線への曝露
  • 喫煙
  • 興奮すること
  • 過度の運動 など

これらが要因となり、顔の赤みやほてりを引き起こします。

不適切なスキンケア

洗顔時の摩擦、洗浄力の強すぎる石鹸、アルコール濃度の高い化粧水などは、肌の角質層を傷つけ、バリア機能を破壊し酒さの原因となる可能性があります。

内的要因

ホルモンバランスや自律神経の乱れ、ストレス

このほか、ホルモンバランスや自律神経の乱れ、ストレスなども症状の誘因となると考えられ、さらに毛包に常在するダニの一種「デモデックス(毛包虫)」も酒さの悪化の原因に挙げられています。

他の疾患

酒さの方は、炎症性腸疾患やリウマチなどの自己免疫疾患、パーキンソン病などを罹患していることが多いという報告もあります。

腹部症状、関節痛、神経症状などを伴う場合は、外的要因と全身性の疾患など内的要因を見ていく必要があると言われています。

顔のほてりや赤みがなかなか引かない、酒さ(赤ら顔)でお悩みではありませんか?
皮膚科専門医が、お一人おひとりの肌状態に合わせた治療をご提案します。
保険適用で治療も可能です。

酒さの診察・検査

酒さの診断において重要なのは、経験豊富な医師による診察です。現在のところ、血液検査や数値だけで酒さと確定診断できる特異的な指標は存在しません。

そのため、診察ではいつから症状がで始めたか、顔のどの部位に赤みがあるか、特定の刺激で悪化するかといった経過を詳しく確認します。

また、酒さはニキビや脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎、膠原病といった他の皮膚疾患と見た目が似ているため、これらを除外するための鑑別診断を慎重に行わなければなりません。

酒さは放置すると進行する可能性があるため、ただの赤ら顔と自己判断せず、専門医による適切なステップを踏んだ診断を受けることが大切です。

酒さと酒さ様皮膚炎の違い

酒さとよく似た疾患に「酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)」があります。名前が似ており症状も赤みやブツブツなど共通点が多いものの、原因が異なります。

酒さ様皮膚炎は、ステロイド外用薬を顔に長期間使い続けたことがきっかけで生じるとされる疾患です。そのため、治療では原因となっているステロイド外用薬を中止することが基本となります。中止後に一時的に赤みが強まることがありますが、その後、時間をかけて落ち着いていくとされています。

酒さと酒さ様皮膚炎は治療の進め方が異なるため、自己判断で市販薬やステロイドを使い続けず、皮膚科専門医による診断を受けることが大切です。

酒さの治療

酒さの治療にあたっては、まず、似た症状を呈する別の疾患と区別することが重要です。他疾患としては、ニキビ、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、花粉症皮膚炎、膠原病などがあります。

新宿駅前IGA皮膚科クリニックでは、ダーモスコピーによる皮膚の観察などで、見極めていきます。

ただし、これらの疾患は酒さと合併して発症していることも少なくなく、酒さと同時並行で治療していくことが重要です。

当院での具体的な治療内容(保険診療・自費診療)については、こちらをご覧ください。

酒さ(しゅさ)の薬物治療は、症状の型(紅斑・毛細血管拡張、丘疹・膿疱など)や重症度、患者さまの肌質・体質に応じて慎重に選択されます。

外用薬

ロゼックスゲル(メトロニダゾール)

使用する薬剤としては、「ロゼックスゲル(メトロニダゾール)」が赤ら顔の治療に有効です。
これは2022年5月に保険適用での使用が可能となりました。


ニキビダニや寄生虫、嫌気性菌に対する抗菌作用があり、抗炎症作用や免疫抑制作用などもあるため、酒さの改善が期待できます。


炎症を和らげ、毛包虫(デモデックス)の関与が疑われる場合にも有効です。
塗布後数時間で赤みを軽減する即効性がありますが、反動性の潮紅が起こることがあるため、少量から慎重に使う必要があります。

イオウ・カンフルローション

イオウ・カンフルローションも保険適用となっています。


殺菌・角質軟化・収れん作用を持ち、比較的軽症の症例や脂漏性変化を伴う酒さに対して用いられますが、刺激性があるため使用部位や頻度に注意が必要です。

アゼライン酸、イベルメクチンクリーム

丘疹・膿疱型の酒さにはアゼライン酸外用、イベルメクチンクリーム外用という選択肢もあります。

アゼライン酸は日本では化粧品にも配合されている成分です。15~20%程度のアゼライン酸は、酒さの丘疹や膿疱に対して有効とされます。

イベルメクチンは寄生虫に対する作用や抗炎症作用がある成分で、海外では酒さの治療によく使用されます。

1%のイベルメクチンと0.75%のメトロニダゾールでは、イベルメクチンの方が3週間目から早い改善効果が見られます。

これらは日本では保険適用外です。

内服薬

抗菌薬

内服薬としては、ミノマイシン(ミノサイクリン)やビブラマイシン(ドキシサイクリン)などのテトラサイクリン系抗菌薬が中等症以上で用いられ、主に抗炎症作用を目的に数週間~数ヶ月投与されます。


テトラサイクリン系抗菌薬が使えない方はルリッド(マクロライド系抗生物質)を使うことがあります。

イソトレチノイン内服

また重症例では、イソトレチノイン内服(保険適用外)が検討されることもあります。
これは特に丘疹膿疱型酒さに有効とされていますが、催奇形性などの重篤な副作用のため厳密な管理下での使用が必要で、保険診療外となります。

ステロイド外用は酒さを悪化させるため、原則禁忌となります。

その他の治療

自費での治療法

酒さの改善には、こうした保険治療での薬物治療で効果が乏しい場合、特に紅斑毛細血管拡張症(第1度酒さ)はこれらの治療に対する反応が乏しいことが多いです。

そのため、保険適応外となりますが、光治療などが選択肢として挙げられます。当院では光治療としてステラM22による治療を行っています。

また、ニキビ(ざ瘡)の症状を併発し、皮脂の分泌が多いタイプの酒さでは、自費診療となりますが、イソトレチノインの内服が選択肢となる場合があります。イソトレチノインは、皮脂の分泌をおさえ、炎症をやわらげる働きが期待されるとする報告があり、保険診療で十分な改善がみられない難治例に検討されることがあります。

イソトレチノインは国内では未承認の医薬品で、適応外使用となるため、適応の可否は診察のうえで医師が判断します。

イソトレチノインによる治療の詳細は、イソトレチノインの治療ページで解説しています。

当院で行っている酒さの治療

当院では、「これまで治療を行ってきたけど、なかなか改善しなかった」「自分に合う治療法が見つからなかった」という方にも効果を実感していただけるよう、皮膚の状態や症状のタイプに合わせた「保険診療」と「自費診療」による治療を行っています。

保険診療

酒さは、慢性的に再発を繰り返すこともある疾患であるため、当院では継続しやすい保険診療を基本としています。

ロゼックスゲルや抗菌薬の内服は保険適用内で行うことが可能です。これらを症状に応じて処方します。

必要に応じて生活習慣やスキンケア指導も行い、外側と内側の両面から症状の改善を目指します。

ロゼックスゲル外用

ロゼックスゲル外用

ロゼックスゲルは、酒さ治療に有効なメトロニダゾールを主成分として含む外用薬です。

海外のNational Rosacea Society Expert Committeeのガイドラインでは、メトロニダゾールの外用剤は炎症性丘疹・膿疱型酒さの治療選択肢として推奨されています。

また、日本の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、丘疹膿疱型酒さに対して0.75%メトロニダゾールゲルの外用治療を強く推奨(推奨度A)としており、日本における酒さ治療の第一選択薬として位置づけられています。

1日2回、清潔にした患部に塗布して使用します。数ヶ月ほどで症状が改善することが一般的です。

ビブラマイシン/ミノマイシン内服

ビブラマイシン
ミノマイシン内服

ビブラマイシンはドキシサイクリン、ミノマイシンはミノサイクリンを有効成分として含む抗菌薬です。主に中等症以上の酒さに対して処方します。

ニキビのような赤いポツポツとした炎症を抑える効果がある内服薬です。2~3ヶ月ほど内服することで治療効果を得られます。

スキンケアのアドバイス

酒さの治療には、スキンケアも欠かせません。当院では、酒さの炎症を悪化させない低刺激で保湿力の高いスキンケアを中心に、洗顔・保湿・紫外線対策までトータルで指導を行っています。

化粧品の選び方や生活習慣の見直しなど、セルフケア面からもアプローチすることで、治療後の再発予防をしたり肌を安定化したりすることが可能です。

自費診療

当院では、より高い効果や再発予防を目指す方向けに、自費診療での酒さ治療も行っています。保険診療で改善が見られなかった方や、赤み・毛細血管拡張・肌の凸凹などの美容面の悩みを同時にケアしたい方に適しています。

ステラM22治療

ステラM22は、IPLを用いた治療です。酒さに伴う毛細血管拡張、肌の色ムラを改善する当院の主力治療です。紅斑性酒さの初期症状に適応されます。

照射した光エネルギーが熱エネルギーに変換され、毛細血管をターゲットに効果を発揮するものです。一度の治療で完了するものというよりは、複数回の施術により徐々に改善していく治療法となります。

ステラM22の照射後には、鎮静・保湿を目的として、ケアシス(エレクトロポレーション)による薬剤導入を組み合わせることがあります。微弱な電流を用いてトラネキサム酸やペップビューなどの薬剤を肌へ届ける施術で、照射後の肌を整えるケアとして行っています。

イソトレチノイン内服

イソトレチノインは、もともとニキビ治療の内服薬として使われていた薬です。主に、以下のような働きがあります。

  • 皮脂腺を小さくする
  • 炎症を抑える
  • 毛穴を縮小する

これらの働きにより、酒さに対して効果を発揮すると考えられています。イソトレチノインは、酒さの症状のうち、特に丘疹膿疱型と呼ばれるニキビに似た症状が見られるものや、鼻瘤肥厚型酒さ)に有効です。

〈女性患者の方へ〉

妊娠中、または妊娠の可能性がある、妊活中の方は絶対に服用できません。

治療中および治療終了後、確実な避妊が必要です。

女性:治療終了後6ヶ月間(厚労省では治療終了後1ヶ月間と記載がございますが当院では最大限リスクを減らすために6ヶ月間としております)

授乳中は服用できません。

〈男性患者の方へ〉

治療中から治療終了後1ヶ月間はパートナーの妊娠を避けてください。

スキンボトックス(マイクロボトックス)

スキンボトックスとは、ボツリヌストキシンを皮膚の真皮層に少量ずつ注射する治療法です。神経性の血管拡張シグナルを抑えることにより、酒さによる赤みを改善する効果の他、皮脂を減らしたり毛穴を引き締めたりする効果も期待できます。

スキンボトックスによる効果は、約3~4ヶ月持続します。

スキンケアのアドバイス

自費診療を受けられる方にも、スキンケアのアドバイスを行っています。酒さでは、肌のバリア機能が低下していると考えられているため、刺激の少ないスキンケアを行うことが重要です。

抗炎症作用や皮脂抑制作用のあるアゼライン酸や、バリア機能を改善したり炎症を抑えたりするナイアシンアミドなどを使ったスキンケアの提案を行っています。

当院では、症状に合わせた酒さ治療を行っています。
お薬による治療だけでなく、赤みを悪化させる刺激を避けるための生活習慣の改善や、低刺激なスキンケア指導にも力を入れています。

症状が進行して赤みが定着してしまう前に、お気軽にご相談ください。

酒さの治療は、症状の程度や目的に応じて保険診療と自費診療を使い分けることが重要です。

当院では、肌の状態を丁寧に診察し、どちらの治療が最適かを一人ひとりに合わせて提案しています。

酒さの治療が初めての方は保険診療

酒さの治療が初めての方は、まず保険診療による基本的な治療をおすすめしています。ロゼックスゲルの外用やビブラマイシン、ミノマイシンの内服は炎症や赤みを抑える標準治療として有効性が確立されているものです。

当院では、初診時に生活習慣やスキンケア習慣も丁寧に確認し、薬物療法とセルフケアを組み合わせて、無理なく続けられる治療プランを提案しています。

保険診療で効果が不十分だった方は自費診療

保険診療で一定の改善が見られても、「赤みが残っている」「再発を繰り返す」「肌質を整えたい」と感じる方には、自費診療を提案することがあります。

ステラM22による光治療は毛細血管の拡張の抑制効果、スキンボトックスは赤みを引き起こす神経性の血管拡張シグナルを抑える効果が期待でき、赤みを根本からケアすることが可能です。

当院では、保険診療で得た経過を踏まえ、より高い満足度を目指すための治療をご案内しています。

受診の目安

酒さは、放置すると進行する可能性がある疾患です。顔の赤みが数週間以上にわたって続き、常に赤みを帯びていると感じた際は、皮膚科を受診しましょう。

お風呂上がりや運動後など一時的なものではなく、何もしなくても顔が火照ったり、ヒリヒリとした痛みや灼熱感があったりする場合は、炎症が慢性化しているサインです。

市販のニキビ薬や保湿剤を使用しても症状が改善しない、あるいは逆に刺激を感じて悪化してしまうようなときは、自己判断ではケアが難しい状態になっています。

さらに、鼻の頭が凸凹してきた、目が充血してゴロゴロするなど皮膚以外の症状が現れた場合は、酒さが進行している可能性が高いため、早急な受診が推奨されます。

見た目の問題は、精神的なストレスにも直結し、生活の質を大きく低下させる原因です。鏡を見て憂鬱な気分になることが増えたなら、それが受診のタイミングだといえます。

酒さの治し方・セルフケア・予防

酒さは、医療機関での治療と並行して、日々のセルフケアで悪化因子を避けることが、症状を落ち着いた状態に保つうえで大切とされています。ここでは、ご自宅で取り組めるケアのポイントを紹介します。

悪化因子を避ける

酒さは、さまざまな刺激がきっかけで赤みやほてりが悪化することがあります。次のような要因は、できる範囲で遠ざけるようにしましょう。

  • 気温の急な変化(特に寒暖差や寒さ)
  • アルコール
  • 香辛料の効いた食べ物や熱い飲み物
  • 紫外線
  • 肌に合わない医薬品や化粧品

ご自身がどの要因で悪化しやすいかを把握しておくと、日常生活でのコントロールがしやすくなります。

酒さのスキンケアの基本

酒さの肌は、バリア機能が低下し、刺激に敏感になっていると考えられています。そのため、肌に負担をかけない低刺激なスキンケアが基本となります。

洗顔は、肌をこすらず、しっかり泡立てた泡でやさしく洗いましょう。熱いお湯は刺激になるため、ぬるま湯を使うことをおすすめします。

保湿では、バリア機能を補うセラミドや、炎症をやわらげるとされるグリチルリチン酸2K、赤みのケアに用いられるトラネキサム酸、アゼライン酸などの成分を含む、低刺激なスキンケアを取り入れるとよいとされています。

当院では、アゼライン酸を配合したスキンケアアイテムもご用意しています。

紫外線は酒さの悪化のきっかけになることがあるため、低刺激な日焼け止めによるUV対策も欠かせません。

セルフケアで改善しないときは

セルフケアで悪化因子を避けても赤みやほてりが続く場合や、ブツブツなどの症状が出てきた場合は、自己判断で市販薬を使い続けず、皮膚科を受診しましょう。当院では、お一人おひとりの肌の状態に合わせたスキンケア指導も行っています。

酒さは症状が長引くことが多く、また診断がつきにくい場合もあるため、患者さまからは治療期間や日常生活、他の疾患との違いについて疑問を持たれることが少なくありません。

ここでは、診察室で特によく受ける質問にお答えします。

酒さは完治しますか?

酒さは慢性の疾患であるため、風邪のように「完全に治る」というものではありません。治療のゴールは、医学的に寛解(かんかい)と呼ばれる状態を目指すことにあります。

寛解とは、適切な治療と生活習慣の改善によって、赤みやブツブツなどの症状がほとんど消失し、日常生活に支障がないレベルで安定している状態のことです。

治療を開始してから症状が落ち着くまでには、一般的に数ヶ月から半年以上の期間が必要となります。症状が改善したからといって自己判断で治療を中断したり、悪化因子となる刺激を避けなくなったりすると、再び症状がぶり返すことが少なくありません。

しかし、根気よく治療を続け、自分自身の悪化パターンを把握してコントロールできるようになれば、健康な肌の方と変わらない見た目を維持することが可能です。

ニキビとの見分け方はありますか?

酒さとニキビは非常によく似ており、専門医でも一見しただけでは判断に迷うことがあるほどです。ニキビは皮脂の詰まりが原因であるため、白いポツポツとした芯が見られますが、酒さにはこの芯がありません。

また、発症する年齢層もヒントになります。ニキビは思春期に多く、顔全体や背中にもできますが、酒さは30代以降に多く、主に顔の中心部に集中して現れます。

さらに、赤みの性質も異なります。酒さの場合はブツブツがない部分まで全体的に赤く、さらにほてりやヒリヒリ感を伴うことがあるのが特徴です。

酒さはどのような人に多いですか?

酒さは、一般的に30代から50代の中年層に発症しやすい傾向があります。性別で見ると女性に多く見られる疾患ですが、重症化して鼻の皮膚が厚くなる鼻瘤の症状は男性に多く現れやすいのが特徴です。

また、生活習慣や体質も大きく関係しています。例えば、お酒を好んで飲む方、辛いものなどの刺激物を頻繁に摂取する方、屋外での活動が多く日常的に強い日光を浴びている方も発症のリスクが高まります。

酒さは、長期的な管理が求められる疾患です。
当院では、肌の状態を丁寧に観察しながら、薬による治療のほか、生活環境・習慣やスキンケアに関しても、患者さま一人ひとりに合わせたアドバイスを行っていきます。
酒さは、日常生活や精神的な負担にもつながる疾患です。
当院では、酒さに悩む患者さまに寄り添った丁寧な診療を行っています。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

酒さと赤ら顔は何が違うのですか?

「赤ら顔」は、顔が赤く見える状態をまとめて指す言葉で、特定の病名ではありません。一方、酒さは、その赤ら顔を引き起こす原因疾患のひとつです。

赤ら顔には、酒さのほかにも、敏感肌や一時的なほてり、毛細血管の拡張など、さまざまな原因があります。そのため、顔の赤みが続く場合は、その原因が酒さによるものなのかを見極めることが大切です。

赤み・赤ら顔そのものの特徴や、当院での赤ら顔治療の選択肢については、赤ら顔のページで詳しく解説しています。

未承認医薬品等に関するご案内

・未承認医薬品であることの明示
本施術に使用する医薬品は、医薬品医療機器等法上、未承認医薬品です。

・入手経路等の明示
施術に用いる医薬品および機器は、当院医師の判断の元、国内輸入販売代理店を通じて個人輸入手続きを行ったものです。

・国内の承認医薬品等の有無の明示
同一の性能を有する国内承認医薬品・医療機器はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報の明示
諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修医師

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

皮膚科専門医

医学博士

経歴

2010年 京都大学医学部医学科 卒業
2019年 京都大学大学院医学研究科 皮膚科学博士課程修了
2025年 新宿駅前IGA皮膚科クリニック開院

所属学会

日本皮膚科学会

資格

・皮膚科専門医
・医学博士

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