トラネキサム酸は、肝斑の治療で用いられる代表的な内服薬です。このページでは、効果のしくみ・服用方法・副作用・市販薬と処方薬の違いなど、治療を始める前に知っておきたいことをまとめています。
当院では、皮膚科専門医が診察のうえ、トラネキサム酸の内服薬を1ヶ月分・税込3,300円で処方しています。
内服薬のみでは改善までに時間がかかることも多いため、当院では原則として施術との併用をおすすめしています。診察で肌の状態を確認し、一人ひとりに合った治療方法をご提案します。
処方や治療の流れについては、診察時にご説明しています。まずはお気軽にご相談ください。
目次
肝斑治療に使われるトラネキサム酸内服薬の特徴

肝斑そのものはシミの一種ではありますが、他のシミと比べると治りにくいことが特徴です。左右対称に、境界線がはっきりしないもやっとしたシミができます。
肝斑治療において、トラネキサム酸(トランサミン)は、治療で用いられる代表的な内服薬です。
肝斑は、紫外線や摩擦などの外的刺激に加え、メラニンを作る指令を出すプラスミンという物質が関わっています。トラネキサム酸は、このプラスミンを抑制することで肝斑の治療を行う薬です。
トラネキサム酸とは
トラネキサム酸は、もともと止血薬として使われていた成分です。炎症を抑える働きや、メラニン生成の指令を抑制する作用があります。肝斑は、通常のシミとは異なり、ホルモンバランスの変化や摩擦などにより、メラニンを作る働きが過剰になっている状態です。
トラネキサム酸は、過剰なメラニンの生成を抑えることで、肝斑の改善が期待されます。内服薬として用いられる他、スキンケアの外用薬としても使用されています。
トラネキサム酸の効果
トラネキサム酸は、肝斑に関与するプラスミンの働きを抑える成分です。プラスミンは、メラニンを作る細胞であるメラノサイトに指令を出す役割があります。
過剰に働くと、メラニン生成が活発になり、肝斑が濃くなります。トラネキサム酸は、このプラスミンの活性を抑制し、メラニンが作られすぎるのを防いで肝斑の悪化を防ぐのです。
また、トラネキサム酸には抗炎症作用があるため、皮膚の赤みやヒリつきの緩和にも役立ちます。
トラネキサム酸の服用方法
当院では、トラネキサム酸の内服薬は、原則として1日あたり1,500mgを処方いたします。1日3回、食後に服用してください。なお、スキンケア用品を使用する場合は、製品ごとの使用方法に従ってください。
トラネキサム酸との併用がおすすめの薬
肝斑治療では、トラネキサム酸内服とビタミンC内服を併用することで、改善が期待される場合があります。ビタミンCには、紫外線や摩擦などの刺激で発生するメラニンの生成を抑える働きがあるためです。
また、できてしまったメラニンの還元を促すため、トラネキサム酸との相性がよく、二方向から肝斑にアプローチできるようになります。
当院でも、肝斑の状態に応じてトラネキサム酸とビタミンCの併用をご提案しています。
当院で行っている肝斑治療やスキンケアのポイントについては、以下のページをご覧ください。
トラネキサム酸で肝斑治療を行うメリット・デメリット
トラネキサム酸は、肝斑に関与するプラスミンの働きを抑える薬ですが、副作用が出る可能性もゼロではありません。
ここでは、治療を始める前に知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
メリット
トラネキサム酸には、次のようなメリットがあります。
- 肝斑に関与するプラスミンの働きを抑える
- 内服や外用を続けることで肌全体の色ムラが整う
- ビタミンCの内服やレーザー治療との併用がしやすい
トラネキサム酸は、メラニン生成の指令段階に介入し、過剰なメラニン生成を抑制します。また、内服や外用を継続することで徐々に明るく均一なトーンへ導く効果が期待できます。
ビタミンCや一部のレーザー治療とも併用ができ、総合的な治療計画を立てやすい点も利点です。
デメリット
一方で、トラネキサム酸にはデメリットも存在します。
- 治療効果があらわれるまでに数ヶ月ほどかかる
- 副作用が出ることがある
- 低用量ピル服用中の方には、当院では原則として処方していない
トラネキサム酸の治療効果を実感するには、時間がかかります。少なくとも3ヶ月、場合によってはそれ以上の使用が必要なケースもあるでしょう。そのため、即効性を求める方には向いていません。
また、内服薬の場合は吐き気などの副作用があり、血栓症のリスクにも注意が必要です。この他、血栓症のリスクが高まる可能性があるため、医師の判断によっては低用量ピルを服用中の方は内服薬を使用できないことがあります。
トラネキサム酸内服薬の副作用と服用時の注意点
服用に不安がある方や、自分に処方が適しているか確認したい方は、まず診察でご相談ください。
肝斑の治療では、トラネキサム酸を数ヶ月単位で継続することが多いため、安全に服用を続けるためには正しい知識を身につけておく必要があります。
ここでは、トラネキサム酸の内服薬を使用する場合の副作用と注意点を解説します。
代表的な副作用
トラネキサム酸の内服薬では、以下のような副作用が報告されています。
| 過敏症 | そう痒感、発疹など |
| 消化器 | 食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、胸焼けなど |
| その他 | 眠気 |
いずれも発症頻度は不明です。この他、重大な副作用として痙攣も報告されています。痙攣は人工透析をしている方で見られる可能性があります。
血栓症のリスクについて
トラネキサム酸には、血栓を分解する働き(線溶)を抑える作用があります。
血栓症とは、血管の中で血のかたまりができてしまう状態です。血栓ができる場所によっては、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気につながることがあります。
血栓症の既往・家族歴がある方や、喫煙している方、肥満の方などは、血栓症のリスクを考慮する必要があります。医師が既往歴や服用中のお薬、基礎疾患などを確認し、血栓症のリスクを総合的に評価したうえで、慎重に処方の可否を判断します。
服用中に突然の息切れや胸の痛みなどの症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。
併用に注意が必要な薬
トラネキサム酸には、併用注意薬があります。相互作用を起こす可能性があるため、以下の薬を服用中の方は、医師へご相談ください。
| ヘモコアグラーゼ | 大量併用により、血栓ができやすくなる恐れがある |
| バトロキソビン | 血栓や塞栓症を起こす恐れがある |
| 凝固因子製剤 | 口腔などの部位で血液が固まりやすくなる恐れがある |
併用ができない薬
トラネキサム酸は、以下の薬と併用禁忌です。
- トロンビン
トロンビンは、血液凝固促進薬として使われます。血栓ができやすくなるため、併用はできません。
また、当院の方針により、低用量ピルを服用中の方に対しても原則としてトラネキサム酸の処方は行っておりません。
服用に注意が必要な方
以下に該当する方は、必ずしもトラネキサム酸が禁忌というわけではありませんが、医師の判断により服用できない場合があります。
- 血栓がある方
- 消費性凝固障害がある方(血液を固める成分が過剰に消費され、出血しやすくなる状態の方)
- 術後の臥床状態にある方
- 圧迫止血の処置を受けている方
- 腎不全がある方
- トラネキサム酸の成分に対して過敏症の既往歴がある方
妊娠中や授乳中の方への当院の対応
妊娠中や授乳中の方も医師の判断によりトラネキサム酸の服用ができないことがあります。胎児や乳児に対する有害作用は確認されていませんが、安全性も確立されていません。
当院では、安全性を重視して妊娠中や授乳中の方への処方は控えております。
トラネキサム酸の効果はいつから?肝斑改善までの期間の目安
トラネキサム酸の効果があらわれるまでには、一定の期間が必要です。即効性のある治療ではなく、時間をかけて徐々に改善していきます。
効果が出るまでの目安と経過観察
効果の現れ方には個人差がありますが、内服開始から3ヶ月が効果が出るまでの1つの目安です。その時期に医師が肌の状態や治療経過を確認しています。
診察では、改善の程度や副作用の有無などを確認し、内服の服用期間や治療方針を検討します。当院では、必要に応じて施術との併用もご提案し、一人ひとりの肌の状態に合わせて治療を進めます。
トラネキサム酸の服用を中止するとどうなる?
トラネキサム酸の服用を中止すると、肝斑が再び濃くなる可能性があります。服用をやめると、プラスミンの働きが元に戻り、刺激によって再びメラニンの生成が活発になることがあるためです。
ただし、中止後すぐに悪化するわけではなく、紫外線や摩擦などの刺激が強い場合に濃くなりやすくなります。肝斑は慢性的に変化しやすい症状であるため、医師と相談しながら治療の継続や中止のタイミングを決めることが大切です。
肝斑へのトラネキサム酸内服薬の飲み方
肝斑の治療にトラネキサム酸を用いる場合、正しい用法用量を守って服用する必要があります。
飲み忘れや中断によって改善が遅れたり、再び肝斑が濃く見えるようになったりするケースもあるため、必ず医師の指示に従って服用してください。
当院での処方量と飲み方
当院では、原則として1日1,500mg(500mg錠を1回1錠、1日3回)を処方しています。治療効果を高めるために、ビタミンCなどと組み合わせて処方されることもあります。
効果を短期間で得るために自己判断で増量する方もいますが、副作用のリスクが高まるため避けてください。
市販薬と処方薬の違い
トラネキサム酸の内服薬には、処方薬の他に市販薬もあります。
当院では、原則として1日1,500mgを処方しています。一方市販薬では、トランシーノEXの場合、トラネキサム酸の1日量が750mgまでであり、2ヶ月を超えて服用せず、再開まで2ヶ月以上空けることとされています。
このように、市販薬と処方薬とでは飲み方が異なるのです。トラネキサム酸を服用する場合は、一日何錠(何mg)まで服用できるのかまで確認しましょう。
内服と施術の組み合わせ方
トラネキサム酸の内服は、肝斑の発症に関与するプラスミンの働きを抑え、過剰なメラニンの生成を抑制する治療方法です。肝斑の改善を目指すうえで有効な選択肢の一つですが、効果が現れるまでの期間には個人差があります。
当院では、内服のみでは改善までに時間がかかることが多いため、原則としてピコトーニングやリバースピールなどの施術との併用をおすすめしています。 内服と施術を組み合わせることで、それぞれ異なる方法から肝斑にアプローチを行うのです。
ただし、すべての方に施術が適しているわけではなく、肌の状態によっては施術を控えたほうがよい場合もあります。
内服のみで治療を進める場合は、3ヶ月を効果が現れる一つの目安としています。その時期に医師が肌の状態や改善の程度を確認し、内服の継続や施術との併用を検討します。自己判断で服用を中止せず、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。
当院では、診察時に肌の状態を確認し、一人ひとりに合わせた治療方法をご提案しています。また、VISIAによる肌画像の撮影も実施しており、肌の状態を客観的に確認しながら治療方針を検討します。
自費診療の初診料は、VISIA肌診断を含めて税込4,400円です。所定の条件を満たす場合は初診料が無料となります。肝斑の治療方法にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
トラネキサム酸の内服が適さない場合の治療選択肢
トラネキサム酸の内服薬は、すべての方に適応があるわけではありません。血栓症の既往がある方、特定の薬を服用している方、妊娠中や授乳中の方などは、健康状態や服用中の薬などを確認したうえで、医師が慎重に処方の可否を判断します。
当院では、トラネキサム酸の内服が適さない場合、美容施術やハイドロキノン外用など、患者さまの状態に合わせて別の治療方法をご提案しています。
肝斑の治療には複数の選択肢があり、肌の状態や症状の程度によって適した方法は異なります。また、美容施術や外用薬にも副作用や注意点があるため、医師による適切な判断が必要です。
当院では、診察で肌の状態や既往歴などを確認し、一人ひとりに合った治療方針を検討しています。トラネキサム酸の内服が難しい方も、まずはお気軽にご相談ください。
トラネキサム酸による肝斑治療の費用と保険適用
当院では、肝斑の診察・治療を健康保険が適用されない自由診療として行っています。そのため、診察料やトラネキサム酸の薬剤費は全額自己負担となります。
トラネキサム酸の保険適用は、治療する疾患や処方目的によって異なります。保険適用でもらうには、保険診療の対象となる疾患に対して、医師が処方を必要と判断することが前提です。
当院でのトラネキサム酸内服薬の費用は、1ヶ月分(500mg×90錠)で税込3,300円です。自費初診料は、VISIA肌診断を含めて税込4,400円となります。
ただし、当日施術を受けた方、次回施術代を前払いいただいた方、内服・コスメ等を税込11,000円以上お買い上げの方は、初診料が無料になります。
その他の費用や適用条件については、当院の料金表をご確認ください。
トラネキサム酸の内服薬は国内で承認された医薬品ですが、肝斑への使用は承認された効能・効果の範囲外となります。当院では国内で承認された医薬品を使用し、医師が診察のうえ、治療上必要と判断した場合に処方しています。
同一成分で肝斑の効能・効果をもつ国内承認医薬品には一般用医薬品のトランシーノEXがありますが、医療用医薬品としては肝斑への効能・効果は承認されていません。海外のトラネキサム酸においても、日本と同様に血栓症のリスクが報告されています。
また、肝斑への使用は承認範囲外となるため、重篤な副作用が生じても、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。
肝斑に有効なトラネキサム酸内服薬に関するよくある質問
ここでは、特にお問い合わせの多い5つの質問について回答します。
トラネキサム酸を飲み忘れたらどうすればいいですか?
トラネキサム酸を飲み忘れた場合は、気付いた時点で忘れた分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分を飛ばし、次の分から通常通り服用しましょう。
決して、忘れた分を合わせて2回分飲まないようにしてください。
トラネキサム酸の内服で肝斑は完全に消えますか?
トラネキサム酸の内服で肝斑を完全に目立たなくすることは難しく、美容施術との併用が必要になるケースが多くあります。肝斑は、ホルモンバランスや紫外線、摩擦などの影響を受けやすく、薬の効果だけでは完全に消えない場合もあります。
なお、肝斑は一度改善しても、紫外線や摩擦などの影響で再び濃くなることがあります。
そのため、治療効果を維持するためには、紫外線対策やスキンケアを継続することも大切です。
妊娠、授乳中でもトラネキサム酸治療ができますか?
妊娠中や授乳中の方は、医師の判断によりトラネキサム酸を服用できない場合があります。胎児や乳児に対する有害作用は明確に確認されていませんが、安全性が十分に確立されているわけではないため、慎重な判断が必要です。
当院では、安全性を重視し、妊娠中や授乳中の方へのトラネキサム酸内服薬の処方は控えています。 肝斑の治療を希望される場合は、診察で肌の状態や健康状態を確認したうえで、治療の必要性や適切な方法についてご説明します。
その他ご不明な点は、診察時にお気軽にお申し付けください。
トラネキサム酸はどのくらいの期間飲み続けますか?
トラネキサム酸の服用期間は、肝斑の改善状況や肌の状態によって異なります。効果の現れ方には個人差があり、数ヶ月にわたって治療を継続する場合もあります。
当院での治療の場合、服用開始から3ヶ月が効果が現れる一つの目安です。その時期に医師が肌の状態や治療経過を確認し、最低でも6ヶ月は治療を続けていただきます。
改善の程度や副作用の有無などを踏まえ、内服の継続や治療内容の変更を検討しますので、途中で不安や疑問がございましたらお気軽にご相談ください。必要に応じてピコトーニングやリバースピールなどの施術との併用もご提案しています。
市販の肝斑改善薬と処方薬は何が違いますか?
市販の肝斑改善薬と医療機関で処方されるトラネキサム酸は、成分や用法・用量、服用期間などが異なります。
例えば、市販薬のトランシーノEXは、トラネキサム酸を1日750mg含み、2ヶ月を超えて服用せず、再開する場合は2ヶ月以上の間隔を空けなければなりません。
一方、当院では医師が診察で肌の状態や既往歴などを確認し、原則としてトラネキサム酸を1日1,500mg処方しています。 処方薬は医師が患者さまの状態に応じて用量や服用期間を判断する点が特徴です。
料金
| 全て税込表示 | |
| トラネキサム酸 500mg x 90錠(1ヶ月分) | 3,300円 |
トラネキサム酸による肝斑治療なら新宿駅前IGA皮膚科クリニック
肝斑は一般的なシミと異なり、紫外線だけでなくホルモンバランスや摩擦など複合的な要因が関わるため、適切な診断と治療計画が必要です。
新宿駅前IGA皮膚科クリニックでトラネキサム酸による肝斑治療を受けるポイントは、次の3つです。
- トラネキサム酸の内服薬(1日1,500mg・1ヶ月分)を税込3,300円で処方しています。
- 処方の前に、女性の皮膚科専門医が肌の状態を診察し、血栓症のリスクなど内服の適応を確認します。内服を続ける期間は、診察で肌の状態を確認しながら判断します。
- 内服薬だけでは改善に時間がかかることが多いため、当院では原則として内服薬での治療とピコトーニングなどのレーザー治療やエレクトロポレーションとの併用プランを提案しています。
JR新宿駅南口から徒歩4分、都営新宿線新宿駅7番出口から徒歩1分の通いやすい立地のため、継続が必要な肝斑治療でも無理なく通院することが可能です。肝斑についてお悩みの方は、お気軽に当院へご相談ください。

監修医師
新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
皮膚科専門医
医学博士
経歴
2010年 京都大学医学部医学科 卒業
2019年 京都大学大学院医学研究科 皮膚科学博士課程修了
2025年 新宿駅前IGA皮膚科クリニック開院
所属学会
日本皮膚科学会
資格
・皮膚科専門医
・医学博士
SNS
Instagram(フォロワー数約20万人)
院長のInstagramを見る
詳しいプロフィールはこちら