目次
光治療とは
光治療とは、医療用の特殊な光を肌に照射することで、肌のさまざまなお悩みにアプローチする治療法です。
とくに「IPL(Intense Pulsed Light:インテンス・パルス・ライト)」と呼ばれる広帯域の光を使用したフォトフェイシャルは、美容皮膚科において人気が高く、ダウンタイムが少なく、幅広い肌トラブルに対応できるのが特徴です。
フォトフェイシャルについて
フォトフェイシャルは、IPLを顔全体に照射することで、肌のターンオーバーを促し、メラニンや赤み、毛細血管などの色ムラや肌トラブルを徐々に改善していく治療です。
シミ・そばかす、赤ら顔、くすみ、毛穴、ニキビ跡、軽度のたるみなど、複数の悩みを同時に改善したい方に適しています。
IPLについて
IPLは、レーザーとは異なり、さまざまな波長の光を同時に含む広帯域の光です。
これにより、異なる深さに存在する色素や血管に同時に作用し、肌全体のトーンを整える効果が期待できます。
IPLによる施術法

専用の機器(当院では「ステラM22」)を用いて、顔全体あるいは部分的にIPLを照射します。
事前に冷却ジェルを塗布し、肌への負担を最小限に抑えながら行います。
施術時間は顔全体で約20〜30分程度と短く、施術直後からメイクも可能です。
IPLの特徴とメリット
- 痛みやダウンタイムが少ない傾向にあります。
- 幅広い肌トラブルに同時に対応することが可能です。
- 回数を重ねるごとに自然な肌質改善が期待できます。
- 肌のハリや弾力の向上、アンチエイジング効果が期待できます。
IPL(ステラM22)によるフォトフェイシャルの波長
患者さまそれぞれにカスタマイズし、個々の患者さまに合わせたオーダーメイド治療を行うことができます。

515nm | 薄いシミ・そばかす 主にスポット照射で使います |
560nm | メラニン・ヘモグロビンの吸光度が高く、シミ・そばかすに使用します |
590nm | ヘモグロビンの吸光度が高く、表在性の赤ら顔、毛細血管拡張症に使用します |
615nm | 赤ら顔、血管拡張症、ニキビ跡(炎症後紅斑、炎症後色素沈着)に使用します |
640nm | 色素の濃い肌のシミ、肝斑併発部位のシミ、そばかす |
695nm | タイトニングで使用 |
IPL(ステラM22)によるフォトフェイシャルで効果が期待できるお悩み
IPL(ステラM22)によるフォトフェイシャルでは、以下のようなお悩みに対し、効果が期待できます。
推奨回数につきましては、肌状態や目標によって個人差があり、カウンセリング時に、効果的なスケジュールをご提案します。
シミ・そばかす
シミ・そばかすの原因は、紫外線や加齢によるメラニンの蓄積です。
IPLはメラニンに反応することで色素を破壊し、シミやそばかすを薄くしていきます。
照射後、一時的に濃く見えることがありますが、数日で自然に薄くなっていきます。
推奨回数の目安: 5~10回(3〜4週間に1回)
肝斑
肝斑は、頬骨の周囲を中心に左右対称に現れる薄茶色の色素斑で、ホルモンバランスの乱れや刺激によって悪化します。
IPL単独での治療はリスクがあるため、当院では出力を調整し、肌の状態に応じて治療を行います。
炎症を抑えつつメラニン排出を促すことで、肝斑を悪化させるリスクを抑えながら照射を行います。
推奨回数の目安: 5~10回(3〜4週間に1回)
ニキビ跡
ニキビの赤みや色素沈着が残る「ニキビ跡」にもIPLは有効です。
炎症後の色素に働きかけ、ターンオーバーを促すことで赤みやくすみを徐々に改善します。
また、皮脂の分泌を抑える作用もあるため、ニキビの予防効果も期待できます。
推奨回数の目安: 5~10回(3〜4週間に1回)
酒さ・赤ら顔
血管が拡張しやすい体質や皮膚の炎症により起こる酒さ・赤ら顔に対しては、IPLが血管に含まれるヘモグロビンに反応し、過剰な血管の収縮が期待できます。
これにより、赤ら顔が改善され、肌のトーンが均一になります。
推奨回数: 5~10回(3〜4週間に1回)
くすみ
くすみの原因である血行不良や軽度の色素沈着にもIPLは有効です。
肌の内側から血流を促進し、メラニンの排出を助けることで、ワントーン明るい透明感のある肌が期待されます。
推奨回数の目安: 5~10回(3〜4週間に1回)
たるみ
軽度のたるみに対しては、IPLが真皮層のコラーゲン線維を刺激し、再構築を促します。
これにより、肌の弾力がアップし、フェイスラインのゆるみやほうれい線の改善が期待できます。
推奨回数の目安: 5~10回(3〜4週間に1回)
毛穴の開き・黒ずみ・角栓
毛穴の開きや黒ずみに対しては、IPLによって皮脂分泌を抑制し、毛穴周囲の炎症や色素沈着を軽減します。
回数を重ねることで、毛穴が引き締まり、肌表面がなめらかになることが期待できます。
推奨回数の目安: 5~10回(3〜4週間に1回)
使用機器について
ステラM22
当院で導入している「ステラM22」は、イスラエルのルミナス社製の医療用IPL機器です。
5種類の波長フィルターを使い分けることで、さまざまな症状に対し、低侵襲かつ高い治療効果が期待できます。
冷却機能も搭載されており、痛みやリスクを最小限に抑えた施術が可能です。
IPL(ステラM22)による治療の注意点
副作用
- 赤みやひりつきが出る場合があります(数時間~数日で軽快)。
- 一時的な色素沈着や薄いかさぶたが生じる場合があります
- 肝斑が悪化するリスクがあります。出力や照射方法により調整していきます。
ダウンタイム
ほとんどありませんが、施術後数日は紫外線対策を徹底してください。
メイクは当日から可能です。
禁忌
- 日焼け直後の肌、妊娠中
- 光過敏症のある方
- 活動性のニキビや皮膚疾患のある部位
- 重度の肝斑には慎重な適応が必要
当院の光治療の方針
当院では、VISIAなどの肌解析機器を用いて、患者さまの肌状態を丁寧に診断したうえで、IPLが適応となるかどうかを判断し、適切な波長や出力を調整して安全に施術を行います。
複数のお悩みが重なっている場合には、レーザー治療や外用薬、ピーリングなど他の施術と組み合わせることで、より高い治療効果の向上が期待できます。
治療後のスキンケアや紫外線対策の指導も行い、内側からの肌改善をトータルでサポートいたします。
光治療(フォトフェイシャル)の流れ
当院では、患者さまに落ち着いて光治療(フォトフェイシャル)を受けていただけるよう、初回カウンセリングからアフターケアまで丁寧に対応いたします。
1. カウンセリング・肌診断
まずは医師によるカウンセリングを行います。お肌の状態やお悩みを丁寧におうかがいし、IPLが適応となるかを判断します。
当院では肌解析機器(例:VISIA)を用いた客観的な肌診断も行い、シミ・赤み・毛穴の状態を数値化して確認できます。
2. 施術前の準備
施術前に洗顔を行い、お肌のメイクや汚れ、皮脂をしっかりと落とします。
その後、肌を保護するために冷却ジェルを塗布し、施術部位に応じてアイシールド(保護メガネ)を装着します。
3. IPL照射(ステラM22使用)
症状に応じて適切な波長・出力を設定し、IPLをお顔全体または気になる部位に照射していきます。
照射時は輪ゴムで弾かれるような軽い刺激がありますが、強い痛みではありません。
施術時間は全顔で約20~30分です。
4. 施術後のクーリング
照射後はお肌をクールダウンし、必要に応じて保湿や炎症を抑えるスキンケアを行います。
赤みや軽い火照りが出ることがありますが、通常は数時間〜1日程度で落ち着きます。
5. アフターケアのご案内
施術後は日焼けを避け、保湿と紫外線対策を徹底していただく必要があります。
化粧は当日から可能ですが、肌が敏感な状態のため、刺激の少ないスキンケア製品の使用が推奨されます。
6. 次回のご案内(治療間隔と回数)
治療効果を高めるためには、3~4週間ごとに複数回の施術を継続するのが理想的です。
お悩みに応じて5〜10回の継続治療をご提案いたします。
料金について

監修:
新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業