レーザー治療とは

当院のレーザー治療では、ピコレーザー(ピコシュア)を用いた各種の施術を行っています。
これまで主に美容医療で用いられていたQスイッチレーザーと呼ばれるナノ秒レーザーに比べ、短い照射時間で熱による肌への負担が少なく、皮下組織の奥までのレーザー照射を可能にしています。

ピコレーザーとは

ピコレーザー

ピコレーザーとは、レーザー光を「ピコ秒(1兆分の1秒)」という極めて短い時間単位で照射する、最新の医療レーザー機器です。
従来のナノ秒レーザーと比較して、皮膚への熱ダメージを最小限に抑えながら、高いエネルギーでメラニン色素を粉砕できるのが最大の特徴です。
肌への刺激が少なく、治療後の回復も比較的に早いため、美容皮膚科における幅広い治療に用いられています。
当院では
ピコシュアプロ(PicoSure® Pro)を採用しています。
従来のピコシュアから進化し、最大出力が向上、より安定したエネルギー照射が可能になりました

ピコレーザーの特徴

  • 短時間での高出力照射により、シミ・肝斑・そばかす・ニキビ跡などの色素沈着に対して効果的なアプローチが可能です。
  • 肌表面への熱ダメージが少なく、術後の赤みや炎症が軽度で、ダウンタイムも短いのが特長です。
  • フラクショナルモードで照射することで、毛穴や小じわ、肌質改善にもアプローチ可能です。

ピコレーザーのメリット

  • 肌へのダメージを低く抑えることが期待されます。
  • 回復が早く、日常生活への影響が比較的少なくなっています。
  • 多様な肌トラブルに対応可能(色素性病変、ニキビ跡、肌質改善など)となっています。
  • メラニンだけでなく、コラーゲン生成の促進による若返り効果も期待できます。

ピコレーザーの種類

ピコレーザーにはさまざまな波長やモードがあります。
当院で使用する「ピコシュア」は、米国FDA認可を受けた信頼性の高い機器で、以下のモードで治療を行います。

  • スポットモード:シミやそばかすなど、ピンポイントの色素斑に対応します。
  • トーニングモード:肝斑や肌全体のくすみに対応します。
  • ピコフラクショナルモード:毛穴・ニキビ跡・肌質改善・小じわに対応します。

ピコレーザーによる治療とその効果

推奨回数につきましては、肌状態や目標によって個人差があり、カウンセリング時に、効果的なスケジュールをご提案します。

肝斑

肝斑は、頬や額、口の周囲に左右対称に現れる淡いシミです。
ホルモンバランスや摩擦、紫外線が原因とされ、刺激によって悪化することがあるため、従来のレーザー治療では逆効果になることもありました。
ピコレーザーの低出力・高頻度トーニングにより、メラニンを少しずつ分解しながら刺激を抑えて治療できます。

推奨回数の目安

5~10回(3〜4週に1回)

シミ・そばかす

紫外線や加齢、遺伝によりできたシミやそばかすには、スポットモードによるピンポイント照射が有効です。
メラニンを細かく砕き、体内の代謝によって徐々に排出されます。
1回の施術で効果を実感する方も多く、数回で肌のトーンが均一になることが期待できます。

推奨回数の目安

1~2回(6ヶ月以上の間隔(かさぶた脱落後))

ニキビ跡

特に赤みや色素沈着、凹凸状のクレーターになったニキビ跡や毛穴には、ピコフラクショナルが効果的です。
表皮に微細な傷をつけて真皮層のコラーゲン生成を促し、肌のターンオーバーを正常化していきます。数回の施術で凹凸の改善が期待できます。

推奨回数の目安

5~10回(3〜4週間に1回)

くすみ

肌のくすみには、全体照射による肌質改善効果が有効です。
肌の色むらや色素沈着を改善し、明るく透明感のある肌へ導きます。

推奨回数の目安:

5~10回(3〜4週間に1回)

毛穴の開き、黒ずみ、角栓

毛穴の開き、黒ずみには、ピコフラクショナルによる照射で真皮層のコラーゲン再生を促し、毛穴を引き締めていきます。
肌のキメも整い、なめらかな肌質への改善が期待できます。

推奨回数の目安

5~10回(3〜4週間に1回)

しわ

浅いしわやちりめんじわには、ピコフラクショナルモードが効果を発揮します。
肌の内側からハリを与えることで、若々しい印象へ導きます。

推奨回数の目安

5~10回(3〜4週間に1回)

使用機器

ピコシュア(PicoSure)

当院では、米国サイノシュア社製の「ピコシュアプロ(PICOSURE® PRO)」を採用しています。ピコシュアプロ®(PicoSure
Pro®)は高度なピコセカンドレーザーを搭載し、従来機「ピコシュア®」からバージョンアップ。
より短時間で高い治療効果と安全性を目指した新発売の次世代モデルです。
ピコシュアは、755nmアレキサンドライトレーザーを搭載しており、メラニンへの高い選択性と肌にやさしい波長で、多くの肌質に対応可能です。

  • 米国FDA・日本厚労省承認機器(医師管理下)
  • ピコトーニング/ピコスポット/ピコフラクショナルに対応
  • 肌への負担が少なく、多機能・高性能なレーザー治療が可能

ピコレーザー治療の注意点

副作用

  • 一時的な赤み、ヒリヒリ感
  • 色素沈着(特に炎症後)
  • 乾燥・かさぶた形成(スポット照射の場合)

※副作用はほとんどが一時的で、適切なアフターケアにより改善します。

ダウンタイム

  • トーニング・フラクショナル:ほとんどなし〜軽度の赤み(数時間〜1日程度)
  • スポット照射:かさぶた形成あり(1週間前後)※かさぶたができないこともあります。
  • 治療後は、紫外線対策と保湿が重要

禁忌

  • 妊娠中・授乳中の方
  • ケロイド体質の方
  • 感染性皮膚疾患のある部位
  • 日焼け直後、または強い日焼けが予想される方

当院のレーザー治療の方針

当院では、VISIAなどの肌診断機器を用いて、しっかりとお肌の状態を評価したうえで、患者さま一人ひとりにあった治療プランをご提案しています。


・肝斑や敏感肌には、刺激を抑えたトーニングモードで対応します。
・凹凸のニキビ跡には、コラーゲン生成を促すフラクショナルモードを選択いたします。
・濃いシミやそばかすには、スポット照射による集中的な治療が有効です。

さらに複数のモードを組み合わせたり、ピーリングや注入治療、内服薬・外用薬を併用したりと、総合的なアプローチで治療効果の工場が期待できます。
このように肌質やライフスタイル、ご希望の仕上がりに応じたオーダーメイドの美容医療を提供いたします。

レーザー治療の流れ

当院では、患者さまが心を落ち着けてレーザー治療を受けられるよう、初回カウンセリングからアフターケアまで丁寧に対応いたします。

1. カウンセリング・診察・治療プランの決定

まず医師が肌の状態やお悩みについて詳しくおうかがいし、必要に応じて肌診断機器(VISIAなど)を用いて分析を行います。
症状に合わせて適切な治療法を選択し、レーザーのモードや出力を決定します。

2. 洗顔・クレンジング・麻酔

施術前にメイクや皮脂などを丁寧に落とします。
必要に応じて麻酔クリームを塗布します(特にフラクショナルモード使用時)。

3. レーザー照射

症状や部位に合わせて、スポット、トーニング、フラクショナルなどのモードを使い分けて照射を行います。
照射時間は部位にもよりますが、お顔全体で15〜30分程度です。

4. クーリング・鎮静

施術後は肌を冷却し、必要に応じて鎮静効果のあるパックや保湿剤を使用します。

5. アフターケアの説明

治療後の注意点やスキンケア、紫外線対策について丁寧にご説明します。
外用薬の処方や内服薬の併用が推奨されることもあります。

料金について

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修:

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業