デリケートゾーンの湿疹や皮膚炎は、幅広い年代の女性に多く見られる身近な皮膚トラブルです。
放置すると、強い痒みによる二次感染や頑固な色素沈着(黒ずみ)を招く恐れがあるため、早めの適切なケアが大切です。

当院では、皮膚科専門医が症状に合わせた塗り薬の処方など、プライバシーに配慮した保険診療を行っています。
単なる薬の処方だけでなく、デリケートな部位を健やかに保つための正しい洗浄方法や下着の選び方など、生活習慣の指導にも力を入れています。

「痒みや赤みが引かない」「ナプキンかぶれが辛い」など、周囲に相談しづらいお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

女性のデリケートゾーントラブルとは

女性のデリケートゾーントラブル

女性のデリケートゾーンは、皮膚が薄く刺激を受けやすい部位のため、かゆみや痛み、腫れやにおいなどさまざまなトラブルが起こりやすい場所です。

生理や下着との摩擦、ホルモンバランスの変化など、日常生活の中にもトラブルの原因が潜んでいます。

軽いかぶれや乾燥のような症状であっても、放置すると症状の悪化や炎症を引き起こすことがあるため注意しなければなりません。

デリケートゾーンのお悩みは放置せず、早めに受診することが大切です。

デリケートゾーントラブルの症状

女性のデリケートゾーンは非常に皮膚が薄く、些細なきっかけでトラブルが起きやすい部位です。症状には、次のようなものがあります。

主な症状

デリケートゾーンのトラブルにおいて、特に多く見られるのがかゆみです。下着や生理用品による摩擦、汗や尿による蒸れ、洗浄のしすぎによる乾燥など、多岐にわたる刺激が原因で起こります。

この他、以下のような症状も代表的です。

  • ヒリヒリとした痛み
  • 赤み
  • 腫れ
  • おりものの異常

かゆみは特に多い症状で、汗や蒸れ、生理用品や下着による刺激が原因で起こることがあります。おりものの色やにおいが普段と違うときは、感染症にかかっている可能性も否定できません。

これらの症状は放置すると悪化することがあるため、早めの受診が大切です。

進行すると現れる症状

初期の違和感を「そのうち治るだろう」と放置してしまうと、症状は次第に悪化していきます。炎症が進行すると、皮膚がただれて激しい痛みを伴うようになり、歩行や排尿時にも支障をきたすことがあります。

また、感染症が原因の場合、放置することで病原体が子宮や卵管へと広がり、下腹部痛や発熱、将来的な不妊のリスクにつながる骨盤内炎症性疾患を引き起こすことがあるので注意が必要です。

「いつもと違う」と感じた段階で早めに医療機関を受診しましょう。

デリケートゾーントラブルの原因

女性のデリケートゾーンにトラブルが起こる原因は、皮膚の刺激や細菌・真菌による感染症など多岐にわたります。皮膚が薄く、湿度が高くなりやすい環境のため、トラブルが起こりやすいことが特徴です。

ここでは、主な原因であるかぶれ、感染症、萎縮性腟炎について紹介します。

外的要因

かぶれ

デリケートゾーンのかぶれは、生理用品や下着との摩擦、汗やおりものによる蒸れなどが主な原因です。正式には接触性皮膚炎と呼ばれています。

軽度であれば保湿や市販薬などで改善する場合もありますが、赤みや痛みが強いときは早めの受診が望ましいとされています。

性器ヘルペス

単純ヘルペスの初感染によって起こる急性型は、外陰部の不快感やかゆみなどの症状が出た後、発熱や全身倦怠感、疼痛などがあらわれ、潰瘍や小水疱が見られます。

治療しないまま放置しておくと治るまでに2~3週間ほどかかり、場合によっては入院治療が必要になることもあります。

性器クラミジア

クラミジア・トラコマチスという細菌が原因で起こる性感染症です。自覚症状が乏しいことが多い病気で、感染していることに気づかないまま過ごしている方が少なくありません。

人によっては、下腹部の違和感やかゆみ、おりものの増加などが見られることがあります。放置すると骨盤内炎症を引き起こし、不妊の原因になる場合もあるため注意が必要です。

膣トリコモナス症

トリコモナスという原虫によって引き起こされる疾患です。黄色や泡状のおりものが増え、強いかゆみや悪臭を伴うことがあります。

性行為による感染が主ですが、まれにタオルなどを介して感染することもあるため注意が必要です。腟トリコモナス症と診断された場合は、同時にパートナーの治療も行う必要があります。

性器カンジダ症

カンジダ菌という真菌の一種が繁殖して起こる疾患です。免疫機能の低下や抗生物質の使用、蒸れなどが原因で発症しやすくなります。

強いかゆみやヨーグルト状のおりものが特徴で、痛みや排尿時の刺激を伴うこともあります。

いんきんたむし

白癬菌という真菌の仲間が感染して起こる皮膚感染症の一種です。太ももの付け根や外陰部周辺が赤くなり、円形の発疹が見られます。

通気性の悪い下着や汗による湿気が発症のきっかけになりやすいことで知られています。

毛ジラミ症

毛ジラミが陰毛に寄生して起こる感染症です。激しいかゆみが特徴で、虫体や卵が毛に付着して見える場合もあります。

性行為による感染の他、寝具やタオルの共有でもうつる可能性がある病気です。

萎縮性膣炎

更年期以降の女性に多く見られるトラブルです。エストロゲンの減少により膣粘膜が乾燥し、かゆみや痛みなどが起こります。

膣のバリア機能が低下するため、細菌感染を起こしやすいのも特徴です。

繰り返すかゆみや、ナプキンなどによるデリケートゾーンのかぶれでお悩みではありませんか?
皮膚科専門医が、お一人おひとりの肌状態に合わせた最適な治療をご提案します。

保険適用での治療が可能です。

内的要因

デリケートゾーントラブルを引き起こす内的要因として、以下の3点が挙げられます。

ホルモンバランスの変化

女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、膣内の潤いを保ち、自浄作用を助ける働きがあります。しかし、整理前後や更年期、授乳期などにエストロゲンが減少すると、膣内の粘膜が乾燥してバリア機能が低下し、かゆみや炎症が起きやすくなります。

免疫システムの低下

過度なストレス、睡眠不足、疲労の蓄積は免疫システムを低下させます。健康な状態であれば抑えられている体内の常在菌が、免疫低下によって異常増殖し、かゆみやおりものの異常を招くことがあります。

ターンオーバーの低下

皮膚のターンオーバーが乱れると、粘膜の再生がうまく行われず傷つきやすくなり、トラブルが長期化することがあります。

女性のデリケートゾーントラブルの診察・検査

女性のデリケートゾーンの悩みは、皮膚科でも日常的に診療を行っている一般的な疾患の一つです。

皮膚科での診察は、まず詳しい問診から始まります。いつからかゆみや痛みがあるのか、石鹸や下着を変えた心当たりはないか、あるいは生理周期との関連があるかなど、症状の背景を確認します。

次に、プライバシーに配慮した診察室にて、患部の状態を直接確認する視診を行います。皮膚の赤みや腫れ、湿疹、かぶれの状態を診ることで、皮膚の炎症なのか感染症の疑いがあるのかを判断するのです。

しかし、症状によっては皮膚科での治療が難しい場合もあります。その場合は、新宿駅前IGA皮膚科クリニックと提携している婦人科に紹介させていただきます。

女性のデリケートゾーントラブルの治療法

デリケートゾーンのトラブルは、原因によって治療方法が異なります。かぶれや軽度の炎症であれば、刺激を避けて保湿を行うだけで改善することもありますが、感染症が関係している場合は、適切な薬を用いた治療が必要です。

主な治療には、体内から原因を抑える内服薬と、患部に直接作用させる外用薬があります。

外用薬による一般的な治療

外用薬は、かぶれや湿疹、炎症などの皮膚トラブルに直接作用するものです。真菌が原因の場合は抗真菌薬、細菌感染が関係している場合は抗菌薬を使用します。

性器ヘルペスなどのウイルス感染には、抗ウイルス薬が有効です。

内服薬による一般的な治療

内服薬は、体の内側から炎症や感染を抑えるために用いられます。細菌感染が原因のトラブルにはメトロニダゾールやアジスロマイシンなどの抗菌薬、真菌による感染症にはイソコナゾールやオキシコナゾールなどの抗真菌薬、ウイルス感染にはバラシクロビルやアシクロビルなどの抗ウイルス薬を処方するのが一般的です。

性器クラミジアやトリコモナス症などの性感染症では、主に内服薬による治療を行います。

当院で行っている女性のデリケートゾーントラブルの治療

女性のデリケートゾーンは、非常に繊細で刺激や感染によってさまざまなトラブルが起こりやすい部位です。当院では、原因や症状に応じて最適な治療法を選択しており、かぶれや炎症などの皮膚トラブルから、感染症まで幅広く対応しています。

膣トリコモナスや萎縮性腟炎などの婦人科の疾患がある患者さまにおいては、必要に応じて婦人科と連携を取る治療体制を整えています。

外用薬

かゆみ・赤み・炎症:ステロイド外用治療・抗炎症薬

陰部のかゆみ、赤み、炎症などの湿疹には、主にステロイド外用薬を用いた治療を行います。デリケートゾーンの皮膚は非常に薄いため、症状の程度に応じて強さを調整した外用薬を使用することが重要です。

ステロイド外用薬には、湿疹による赤みや腫れ、かゆみを抑える効果があります。症状が軽快したからといって自己判断で使用を中止すると、症状の悪化やぶり返しにつながるため、必ず医師の指導のもとで適切に使用してください。自己判断で漫然と継続すると真菌感染を引き起こすことがあるので注意が必要です。

慢性的にかゆみや炎症が続く場合に、ステロイドの長期外用を行うと真菌による二次感染を引き起こすリスクがあるため、炎症を抑えるアズノール(ジメチルイソプロピルアズレン軟膏)軟膏を処方することがあります。

外陰部真菌感染症:真菌検査、外用治療

外陰部真菌感染症は、カンジダ菌や白癬菌によって起こる感染症です。強いかゆみや赤み、白いおりものなどが見られることが多く、放置すると症状が悪化することがあります。

当院では、真菌検査を行い、原因となる真菌の種類を特定し、外用薬を中心とした治療を行います。症状がおさまってから中断すると再燃することがあるため、医師の指示のもと治療を継続します。

カンジダ症

外陰部カンジダ症が疑われる場合、カンジダ菌の有無を確認する顕微鏡検査(真菌検査)を行い、カンジダ菌の有無を確認します。

診断後は、塗り薬の治療を行うことが一般的です。症状消失後も自己判断での中断は再発のリスクを高めるため、必ず医師の指示に従って治療を完了させましょう。

いんきんたむし(股部白癬)

いんきんたむしが疑われる場合、まずは皮膚の一部を採取し、白癬菌の有無を確認する顕微鏡検査を行います。原因となる菌を正確に特定したうえで、抗真菌薬の外用を使用し、症状の改善を目指します。症状が消失した後も、医師が治療完了と判断するまで確実に外用を続けることが大切です。

いんきんたむしは湿度の高い環境で症状が悪化しやすいため、外用薬の使用と同時に、患部を清潔に保ち、通気性のよい衣類を着用することが重要です。

内服薬

感染症(おでき、毛包炎、ニキビなど):抗生剤の外用:内服

毛包炎やニキビなどの感染症は、抗生剤の外用や内服によって治療を行います。抗生剤は、感染の拡大を防ぐために有効な薬です。

症状が軽度の場合は外用薬を塗布し、炎症が広がっている場合や重症例では内服薬を併用して体内からも細菌の増殖を抑えます。

性器ヘルペス:抗ウイルス薬治療

外陰部や性器に水ぶくれや強い痛みがある場合は、単純ヘルペスの感染による性器ヘルペスが疑われます。当院では、症状や発症経過を確認し、必要に応じて抗ウイルス薬による治療を行います。

バラシクロビル(バルトレックス)などの抗ウイルス薬の内服・外用でウイルスの増殖を抑え、症状の軽減と再発防止を図ることが大切です。

梅毒:採血、内服治療

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因で起こる性感染症です。初期症状では外陰部や唇にしこりや潰瘍があらわれ、その後、放置すると発疹や全身のリンパ節腫脹などに進行します。

まずは、採血による検査を行い、感染の有無を確認することが基本です。治療にはペニシリン系の抗生剤の内服を用い、症状や進行度に応じて投与期間を調整します。

その他の治療

陰部やおしりのアテローム:日帰り手術

陰部やおしりのアテロームは、皮脂や老廃物が皮膚の下にたまってできる良性のしこりです。細菌が感染すると赤く腫れ、痛みを伴うこともあります。

当院では、炎症が落ち着いた段階で日帰りの手術を行い、袋ごと取り除く治療を行っています。局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。手術時間は5分から20分ほどで、翌日から通常の生活が可能です。

尖圭コンジローマ:液体窒素療法、外用療法

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスの感染によって起こる良性のいぼです。外陰部や肛門の周辺に小さな突起状の病変があらわれます。

当院では、液体窒素を用いた凍結療法でいぼを除去する治療を行っています。加えて、イミキモド(ベセルナクリーム)などの外用薬を使用し、再発リスクを軽減します。

当院では、症状に合わせた保険診療の女性のデリケートゾーン(外陰部)の皮膚疾患治療を行っています。診察は女性医師が担当いたしますので、デリケートな部位のお悩みもリラックスしてご相談いただけ、さらに再発を防ぐための適切な洗浄方法やセルフケアのアドバイスにも力を入れています。

強いかゆみや炎症が跡(色素沈着)になって残ってしまう前に、どうぞ安心してお気軽にご相談ください。

受診の目安

デリケートゾーンに違和感を覚えても、「少し様子を見れば治るかもしれない」「恥ずかしくて相談しにくい」と受診をためらってしまう方は少なくありません。しかし、かゆみや痛みは体が発信しているSOSのサインです。

受診を検討すべき目安としては、日常生活に支障が出るほどのかゆみや痛みがある場合です。仕事に集中できない、夜眠れない、歩くときの下着の摩擦が気になるなどの状態は、すでに炎症が進んでいる可能性があります。

また、市販のデリケートゾーン用の塗り薬を2~3日使用しても改善が見られない場合や、一度治ってもすぐに再発を繰り返す場合も、専門医による診断が必要です。

自己判断での薬の使用は、かえって原因菌を増殖させたり、かぶれを起こしたりすることがあるので、気になる症状があるときは早めに受診しましょう。

女性のデリケートゾーントラブルセルフケア・予防

女性のデリケートゾーンのトラブルは、日常の習慣を少し見直すだけで予防が可能です。皮膚が薄く、汗やおりものの影響を受けやすい部位であるため、清潔を保ちながら過度な刺激を与えないケアを行いましょう。

おしりは前から後ろへ拭く

排泄物の拭き方は、デリケートゾーンを清潔に保つうえで非常に重要です。おしりを後ろから前に拭くと、肛門付近の細菌が膣や尿道に入り込み、膀胱炎や膣炎などの感染を引き起こす恐れがあります。

そのため、必ず「前から後ろ」の方向で拭くことを意識しましょう。トイレットペーパーは柔らかいものを使用し、強くこすらず軽く押さえるようにして拭き取るのが理想的です。

ナプキンはこまめに取り替える

ナプキンは長時間の使用によって蒸れや雑菌の繁殖を招き、かぶれや感染の原因になります。

目安として、経血量にかかわらず2~3時間おきに交換することを心がけましょう。夜用や吸収量の多いタイプでも長時間のつけっぱなしは避けるのが望ましいです。

ゴシゴシこすらずに洗う

デリケートゾーンは皮膚が薄く刺激に弱いため、強くこすって洗うとバリア機能を損なう恐れがあります。石けんを多く使ったりナイロンタオルでゴシゴシこすったりするのは避けましょう。

洗浄の際は、泡状の石鹸で指の腹を使って優しくなでるように洗い、最後にしっかりすすぐことがポイントです。過度な洗浄は常在菌のバランスを崩し、かえってかゆみや炎症を起こす原因になるため、1日1回の優しい洗浄を心がけましょう。

女性のデリケートゾーントラブルに関するよくある質問

女性のデリケートゾーンのトラブルは、かゆみや痛み、腫れなどの症状が出ても誰かに相談しづらい部位であるため、自己判断で対処してしまう方も少なくありません。

しかし、症状によっては感染症が原因のこともあるため、適切な治療を行わないと悪化や再発を招くことがあります。ここでは、よく聞かれる3つの質問にお答えします。

デリケートゾーンのかゆみは市販薬で治りますか?

デリケートゾーンのかゆみが軽度で、一時的なかぶれや蒸れが原因のときは、市販薬で対処できる場合もあります。

市販薬を使用しても症状が改善しない場合、強いかゆみや痛み、おりものの異常が見られる場合は早めに医師の診察を受けましょう。

かゆみがひどいときは病気の可能性がありますか?

夜も眠れないほど強いかゆみが続く場合は、感染症の可能性があります。代表的な疾患に性器カンジダ症やトリコモナス症があり、いずれも医師による検査と治療が必要です。

また、更年期以降の女性では、女性ホルモンの低下によって膣が乾燥しやすくなる萎縮性膣炎が原因となることもあります。

症状を放置すると慢性化したり二次感染を起こしたりする恐れがあるため、強いかゆみが続く場合は早めに専門医へ相談することが大切です。

どのようなときに皮膚科を受診したらいいですか?

デリケートゾーンのかゆみや痛みが数日経っても改善しない場合や、発疹・腫れ・できもの・おりものの異常があるときは、早めに皮膚科を受診しましょう。

自己判断で市販薬などでの対処を続けていると、適切な治療の遅れにつながるので注意してください。

女性のデリケートゾーントラブルの治療なら新宿駅前IGA皮膚科クリニック

新宿駅前IGA皮膚科クリニックでは、女性のデリケートゾーンに関する幅広いトラブルに対応しています。

女性医師による丁寧な診察を行い、かゆみや痛み、できもの、赤みなどの症状の原因を正確に見極めたうえで、一人ひとりに合った治療法を提案します。

陰部アテロームなどのしこりには、日帰り手術も行っており、外科的処置が必要な症例にも対応可能です。

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修:

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業