円形脱毛症は、お子様から大人まで年齢を問わず、どなたにも発症する可能性がある自己免疫性の皮膚疾患です。
放置すると脱毛範囲が拡大したり、全頭型へ進行したりするリスクがあるため、異変を感じたら早めの治療が大切です。

当院では、皮膚科専門医が症状の進行度や範囲に合わせた、保険診療による適切な円形脱毛症治療を行っています。
内服・外用薬による治療はもちろん、難治性のケースに対しても光線療法(紫外線療法)などの専門的な選択肢を提示できるのが当院の強みです。

突然見つかった円形の脱毛や、全体的な抜け毛の増加でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

円形脱毛症とは

円形脱毛症

円形脱毛症とは、頭髪や眉毛、まつ毛、体毛などの毛が、突然円形または楕円形に抜け落ちる自己免疫性の脱毛症です必ずしも円形に限らず、症状が進行すると複数箇所に拡がってしまう場合や、頭部全体、さらには全身の毛が抜ける場合もあります。
年齢や性別に関係なく誰にでも起こり得ますが、10〜30代といった比較的若い世代に多い傾向があります。
思春期に発症すると、不登校や引きこもりの原因となることもありますので、注意する必要があります。

なぜ円形脱毛症が発症するかは、まだよくわかっていない部分もありますが、自己免疫反応によって自分の毛根が攻撃されることで毛の成長が止まり、脱毛が生じるのではないかと考えられています。
多くの場合は軽症で自然に改善しますが、なかには重症化して長期にわたり症状が続くものもあり、症状に応じて適切に診断、治療していくことが必要となります。

円形脱毛症の症状

円形脱毛症は、頭髪の一部が抜け落ちる病気です。「10円ハゲ」という俗称でも知られていますが、実際には小さな点のようなものから、頭部全体、さらには全身の毛が抜けるものまでその症状や範囲は多岐にわたります。

多くの場合、痛みやかゆみといった前兆がないため自分では気づかず、家族や美容師に指摘されて判明するケースが少なくありません。再発を繰り返しやすい性質もあり、一度治ったと思ってもストレスや体調の変化で再び脱毛斑が現れることがあります。

主な症状

円形脱毛症のもっとも典型的な症状は、突然生じる境界のはっきりした脱毛斑です。これは、単発性通常型と呼ばれ、頭皮に1カ所から数カ所程度の円形の脱毛が見られます。周囲の毛が正常であるために、脱毛部分が際立って目立ちやすいのが特徴です。

脱毛部の皮膚自体は赤みやかゆみなどの炎症を伴わないことが多く、本人も気づかないうちに症状が進行しているケースもあります。

また円形脱毛症では、原因によって、爪甲点状陥凹と呼ばれる爪の小さなへこみや爪甲横溝と呼ばれる溝などの変形を合併することがあります。

進行すると現れる症状

症状が進行すると、脱毛斑の数が増えたり、範囲が広がったりしていきます。円形脱毛症は、広がり方によって以下のようなタイプに分類されます。

  • 単発性通常型:頭部に1つの脱毛斑ができるもので、数週間~数ヶ月で自然に治ることも多いタイプです
  • 多発性通常型;頭部に複数の脱毛斑ができるタイプです
  • 全頭型:頭部全体に脱毛が及ぶものです
  • 全身型(汎発型):頭髪だけでなく、眉毛、まつ毛、体毛など全身の毛が抜け落ちるタイプです
  • 蛇行型:側頭部から後頭部の生え際が帯状に脱毛するもので、難治性であることが多いタイプです

単発性通常型の場合、数週間から数ヶ月で自然に治ることもありますが、進行・重症化したものでは、長期的な治療が必要になる場合があります。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症の原因については、未だ完全には解明されていません。かつては「ストレスが原因」と考えられていた時期もありましたが、現在では、本来は外敵から体を守るはずの免疫機能が何らかの理由で自分自身の毛包を異物と見なして攻撃してしまう、自己免疫反応が主なメカニズムであると考えられています。

この自己免疫反応によって毛の成長が突如として止まり、健康な髪が抜け落ちてしまうのです。この他にも、発症の背景には個人の持つ遺伝的素因や内蔵疾患、アレルギー体質など、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。

一つの要因だけで語ることはできず、複数の引き金が重なった結果として現れるのがこの病気の特徴です。

外的要因

外的要因として、多くの方がイメージするのは、精神的ストレスでしょう。確かに、強いショックや長期的な心理的負担は、自律神経や免疫系のバランスを乱す大きなトリガーとなり得ます。しかし、ストレスはあくまでもきかっけの一つに過ぎません。

精神的ストレスがまったくない状態でも円形脱毛症を発症する例は非常に多く、逆にストレスのせいだと思い悩みすぎることで、さらなるメンタルの悪化という悪循環を招くこともあります。

また、近年の研究では、ウイルス感染も外的要因の一つとして指摘されています。感染症をきっかけに免疫システムが過剰に活性化し、毛包が攻撃されて髪が抜けてしまうのです。その他、肉体的な過労や不規則な生活習慣による身体的な負担も免疫バランスを崩す要因となります。

内的要因

内的要因としてもっとも有力視されているのが、先述した自己免疫反応の異常です。これには遺伝的な背景が深く関わっているとされており、家族に円形脱毛症の既往歴がある場合は、発症のリスクが高まることが分かっています。

また、特定の疾患との関連も深く、甲状腺疾患や膠原病といった他の自己免疫疾患を持っている方は、円形脱毛症を発症しやすい傾向にあります。

さらに、アトピー素因も重要な内的要因の一つです。アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症などのアレルギー体質の方は、そうでない方と比べて円形脱毛症を発症しやすいことが統計的に示されています。

突然見つかった円形の脱毛や、なかなか改善しない広範囲の抜け毛でお悩みではありませんか?
新宿駅前IGA皮膚科クリニックでは、皮膚科専門医が、お一人おひとりの症状の進行度や範囲に合わせた治療をご提案します。
保険適用でも治療が可能です。

円形脱毛症の診察・検査

円形脱毛症の診察では、まず問診を通じて脱毛が始まった時期や範囲、過去の既往歴、家族に同様の症状があるかなどを詳しく確認します。円形脱毛症は単なる抜け毛ではなく、背景に自己免疫疾患やアレルギー疾患が隠れている場合があるため、多角的な視点からの評価が必要です。

視診においては、脱毛斑の形や皮膚の状態を観察します。典型的な円形脱毛症では、脱毛部の皮膚に炎症による赤みや盛り上がりが見られないのが特徴です。精密な検査をするために、ダーモスコピー検査を用いることもあります。これは、特殊な拡大鏡を使って頭皮や毛穴の状態を詳細に観察するものです。

円形脱毛症の方では、感嘆符毛や断裂毛などが見られます。これにより、男性型脱毛症(AGA)や他の皮膚疾患との差別化を正確に行うことが可能です。

症状が広範囲に及ぶ場合や、他の自己免疫疾患の合併が疑われる場合には、血液検査を実施することもあります。このように、患部を見るだけでなく、身体の内外両面からしっかり診察することで、一人ひとりの症状に合わせた最適な治療方針を決定します。

円形脱毛症の治療方法

円形脱毛症の薬物治療は、脱毛範囲や進行度、年齢、再発歴などを考慮し、外用薬・内服薬・外科的処置を組み合わせて行います。

外用薬

まずよく使われるのがステロイド外用薬で、とても強い(very strong)のアンテベートローション(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)、最も強い(strongest)のデルモベートスカルプローション(クロベタゾールプロピオン酸エステル)などが炎症を抑える目的で使用されます。

症状が強い場合には、ステロイドの局所注射薬、主にケナコルト-A(トリアムシノロンアセトニド)を患部に直接注射することもあります。

内服薬


抗ヒスタミン薬(例:アレグラ〈フェキソフェナジン〉)を併用することもあります。

その他、近年ではJAK阻害薬の内服薬も効果が期待されています。
例としては、オルミエント(バリシチニブ)、リットフーロ(リトレシチニブ)などがあり、特に重症例に対して選択肢が広がっています。
脱毛面積50%以上、12歳以上で6ヶ月以上脱毛状態が固定した慢性型円形脱毛症の人が内服できます。

その他の治療

脱毛範囲が広い場合には、局所免疫療法が有効です。
これは皮膚に化学物質を塗って人工的なアレルギー反応(かぶれ)を起こさせることで免疫のバランスを整え、毛根への攻撃を抑える方法です。

SADBE(スクアリック酸ジブチルエステル)やDPCP(ジフェンシプロン)といった感作剤を使用します。
これらは保険適用外ですが、広範囲や難治性の症例に対して高い効果が報告されています。

これらの感作剤では副作用として過度の接触皮膚炎が生じ、治療部位から離れた部位への皮疹拡大(自家感作性皮膚炎)が起こることがあります。
その場合はステロイド剤外用、抗アレルギー剤内服などの治療を行います。
また、まれに色素沈着や色素脱失を引き起こす場合があります。

いずれの治療も即効性があるわけではなく、毛が生えるまでには一定の時間がかかります。
多くの場合、数ヶ月単位の継続的な治療が必要となるため、焦らずに根気強く治療に取り組むことが大切です。
治療の選択は、医師と相談のうえ、症状に合わせて慎重に進めていくことが大切です。
再発しやすい疾患でもあるため、治療後も継続的な経過観察と再発予防を意識した生活管理が求められます。

受診の目安

円形脱毛症は、「そのうち自然に生えてくるだろう」と放置されがちですが、受診のタイミングを逃すと症状が広範囲に拡大したり、治療が長期化したりする恐れがあります。

脱毛斑が急激に増えたり、脱毛の範囲が広がったりしている場合は受診を検討しましょう。

また、抜け毛の質や量の異変も重要なサインです。シャンプーをしたりくしを通したりした際に毛根が細く尖ったような形の短い毛(感嘆符毛)が多く抜ける場合は、円形脱毛症である可能性があります。

自分では円形かどうか判断しにくい全体的な薄毛や、生え際が後退していくようなケースでも、自己判断で市販の発毛剤や育毛剤に頼る前に、まずは皮膚科を受診して正確な診断を受けることが大切です。

この他、精神的な不安が強い場合も受診を検討しましょう。脱毛は外見に直結するため、たとえ小さな1カ所の脱毛であっても、それが大きなストレスとなり、さらなる悪化を招くという悪循環に陥る可能性があります。

円形脱毛症のセルフケア・予防

円形脱毛症は自己免疫の誤作動が主な原因と考えられているため、完全に防ぐことは難しい病気です。しかし、日々のセルフケアによって進行を抑えたり再発のリスクを低減させたりできる可能性があります。

もっとも大切なのは、頭皮環境の整え、生活リズムを安定させることです。毎日のシャンプーでは、洗浄力の強すぎる成分を避け、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。また、育毛を助けるタンパク質や亜鉛、ビタミン類を意識したバランスの良い食事は、健康な髪を育む基礎となります。

円形脱毛症は再発しやすい疾患であるため、治りかけの時期であっても無理な食事制限や過度な喫煙、飲酒は控えるべきです。

精神的なケアも欠かせません。ストレスが円形脱毛症の直接的な原因とは言い切れませんが、免疫バランスを崩す大きな引き金になります。十分な睡眠時間を確保したり、自分なりのリラックス方法を見つけたりしてストレスを溜め込まないようにしましょう。

よくある質問

円形脱毛症に悩む方から当院に寄せられる疑問にお答えします。

円形脱毛症は完治しますか?

円形脱毛症の多くは、適切な治療や経過観察によって、完治が期待できる病気です。特に脱毛斑が1カ所のみの単発性通常型の場合は、多くの方が適切な治療で回復するとされています。

しかし、円形脱毛症には再発しやすいという特徴がある点にも注意が必要です。一度完治したように見えても、数年後にストレスや体調の変化をきっかけに再び脱毛が始まるケースは珍しくありません。

また、脱毛範囲が頭部全体に広がっていたり、全身の毛が抜けていたりする重症例では、治療が長期化し、完全に元の状態に戻るまでに時間がかかることもあります。

新宿駅前IGAクリニッククリニックでは、皮膚科専門が一人ひとりのタイプに合わせた治療を選択し、完治を目指します。

円形脱毛症はストレスが原因ですか?

一般的に「円形脱毛症=ストレス」というイメージが強く浸透していますが、現代医学においてストレスは発症の引き金の一つに過ぎないとされています。

現在は、自身の免疫細胞が誤って毛根を攻撃してしまう自己免疫反応が原因だとする説が有力です。精神的ストレスがまったくない環境でも発症する方は多く、逆に強いストレスにさらされても発症しない方もいます。

ストレス管理は再発防止や心のケアとして重要ですが、医学的な治療と並行して考えるべき要素の一つと理解しておきましょう。

円形脱毛症になりやすいのはどのような人ですか?

円形脱毛症になりやすい方の特徴として、まず挙げられるのがアトピー素因を持っている方です。アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症などのアレルギー疾患を持つ方は、統計的に円形脱毛症を併発しやすい傾向があります。

また、遺伝的素因も指摘されています。家族や親族に円形脱毛症の既往歴がある場合、発症率が高まるというデータがあるのです。さらに、甲状腺疾患や膠原病などの自己免疫疾患を他に持っている方も、免疫システムのバランスが崩れやすいため注意が必要です。

当院では、症状に合わせた保険診療の円形脱毛症治療を行っています。
お薬の処方だけでなく、最新の光線療法(ナローバンドUVB等)の併用や、精神的なストレス・生活習慣へのアドバイスなど、多角的なアプローチに力を入れています。

脱毛範囲が広がったり、症状が固定化したりする前に、お気軽にご相談ください。

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修:

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業