稗粒腫は、年齢を問わず幅広い世代に見られる、皮膚の表面にできる白いポツポツとした良性の腫瘍です。
自然に消えることもありますが、放置すると数が増えたり、目立ってきたりして見た目のストレスになることもあるため、早めの処置が大切です。
当院では、皮膚科専門医が専用の針やレーザーを用いて、内容物を丁寧に取り出す処置を行っています。
痛みに配慮し、傷跡が残りにくいよう細心の注意を払って治療を進めるのが当院の特徴です。
「目の周りに白い粒ができた」「ニキビだと思って放置しているが治らない」とお悩みの方は、新宿駅から徒歩すぐの距離にある当院にぜひお気軽にご相談ください。
目次
稗粒腫(ひりゅうしゅ・はいりゅうしゅ)とは

稗粒腫(はいりゅうしゅ)は、皮膚の表面にできる小さな白い粒状のふくらみで、「ミリウム」とも呼ばれています。
触ると少し硬く、白や黄白色の米粒のような見た目が特徴の、皮膚良性腫瘤の一つです。
美容上の悩みとしてもよく相談されるものです。
高齢、女性に多いといわれ、また多汗・水疱によって続発性稗粒腫が生じやすいと考えられています。
また、新生児の40〜50%にみられ、通常2-3週間で自然治癒します。
特に痛みやかゆみなどの自覚症状がなく、治療しなくとも日常生活に支障がないため、放置されることもありますが、見た目が気になる場合や数が増えてきた場合には、皮膚科にてお気軽にご相談ください。
皮膚科専門医が、お一人おひとりの肌状態に合わせた最適な治療をご提案します。
保険適用での処置が可能です。
稗粒腫の症状
稗粒腫は、皮膚の中に溜まった角質が小さな粒状に膨らんだものです。痛みやかゆみといった自覚症状がないため、最初は「いつの間にかできていた」と気づく方がほとんどでしょう。
ここでは、稗粒腫の具体的な見た目の特徴や、放置・悪化させた場合にどのような変化が起こるのかを解説します。
主な症状
稗粒腫は、皮膚の表面に白色や黄白色の小さな粒のような膨らみとして現れます。これは皮膚の深層ではなく、表層近くに角質が詰まった「嚢腫(のうしゅ)」と呼ばれる小さな袋が形成されている状態で、指で触れるとコリコリとした特有の硬さを感じるのが特徴です。
通常は直径1~2ミリほどで、1個だけできる場合もあれば、複数がまとまって出現することもあります。
よく見られる部位は、目の周りや頬、額、鼻先、こめかみなどですが、手足や陰部など全身どこにでも発症する可能性があります。
新生児の場合は、主に鼻や頭皮、頬に自然発生することが多く、生後数週間で自然に消失することがほとんどです。白ニキビと一見似ていますが、痛みや炎症は伴いません。
進行すると現れる症状
稗粒腫は良性の腫瘍であり、ニキビのように化膿したり、急激に悪化したりすることは基本的にありません。しかし、治療せず放置したり誤ったケアを行ったりすることで、以下のような状態を招く可能性があります。
- サイズが大きくなる
- 炎症を起こす
- 跡が残る
サイズについては通常小さいままですが、稀に大きくなると3ミリを超えることもあります。また、数が増えて左右対称に広がることも珍しくありません。成人の稗粒腫は自然消失しにくいため、自己判断で針などを用いて押し出そうとする方がいらっしゃいますが、これは非常に危険です。
無理に触ることで細菌感染による炎症を引き起こしたり、皮膚を深く傷つけて跡が残ったりするリスクがあります。見た目が気になる場合は、決して自分で潰さずに皮膚科で相談しましょう。
稗粒腫の原因
稗粒腫は、皮膚の中に角質が溜まり、袋状に閉じ込められた状態になることで発生します。この袋の中に詰まっているのは皮脂ではなく、ケラチンと呼ばれるタンパク質成分です。
なぜこのような袋ができるのか、その仕組みについては解明されていない部分もありますが、大きく分けて「外的要因」と「内的要因」の2つが考えられています。
外的要因
外的要因によるものは続発性稗粒腫と呼ばれ、皮膚へのダメージや刺激がきっかけで発症します。具体的には、水疱、切り傷、擦り傷、やけどなどの外傷や、皮膚炎、手術の跡などにできることが多いのが特徴です。これらは、皮膚の汗腺が損傷し、再生する過程で角質が閉じ込められることが関係していると報告されています。
また、大きな怪我だけでなく、日常生活の中での些細な刺激も原因となります。特に目元は皮膚が非常に薄いため、目を強くこするという習慣があるだけでも発症するリスクがあるので注意が必要です。
そのほか、水ぼうそうが治った後にできるケースや、ステロイドの長期外用、ハイドロキノン外用といった特定の薬剤の使用が誘引となる場合も知られています。
内的要因
稗粒腫が発生する内的要因としては、皮膚の新陳代謝である「ターンオーバー」の乱れが深く関わっています。
健康な肌であれば、古い角質は一定のサイクルで剥がれ落ちていきますが、このリズムが崩れると、本来排出されるべき角質(ケラチン)が皮膚の内部に閉じ込められ、小さな袋状の塊として定着してしまいます。これが稗粒腫の正体です。
特に高齢の方に多く見られることから、加齢に伴う新陳代謝の低下が大きな要因の一つと考えられています。また、生まれつきの体質や先天的疾患に関連して発生する場合もあり、これらは外的刺激がなくても自然に発生するのが特徴です。
新生児に見られるものも、未発達な毛穴に角質が詰まるという体内環境の変化が影響していると考えられています。
稗粒腫と似ている疾患
稗粒腫は、白く小さな粒状の皮膚隆起が特徴で、一見するとニキビや粉瘤と混同されやすい皮膚疾患です。しかし、それぞれ原因や治療法がまったく異なるため、しっかり鑑別する必要があります。
ニキビ(尋常性ざ瘡)
ニキビは、皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まり、さらに毛穴内でのアクネ菌の増殖によって炎症が起きる皮膚疾患です。進行度によって白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビなど複数の段階に分類されます。
この中で、稗粒腫と見た目が非常によく似ているのが「白ニキビ」です。白ニキビは、過剰に分泌された皮脂が毛穴の中に詰まり、出口を失って白く盛り上がって見えます。
一方、稗粒腫は毛穴の詰まりではなく、肌の角質成分(ケラチン)が皮膚の浅い層に「袋状」に溜まって独立しているのが原因です。一見するとどちらも白いポツポツに見えますが、その中身や形成されている層が根本的に異なります。
また、ニキビは炎症へ移行するリスクがあり、赤みや痛みを伴うことがあります。ニキビの治療は外用薬が基本ですが、稗粒腫は自然治癒しにくく、医療機関で内容物を除去する処置が必要となるケースが一般的です。
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造が形成され、その中に角質や皮脂がたまる疾患です。表面が丸く膨らみ、中央に黒い点(開口部)が見られることがあります。粉瘤の中心に黒い点が見られるのは、毛穴の開口部に皮脂や垢が詰まり、酸化して黒く変色するためです。
稗粒腫が皮膚のごく浅いところにできる小さな白い粒であるのに対して、粉瘤は数mmから数cmまで大きくなることがあり、触ると弾力のあるしこりを感じます。
粉瘤は放置すると徐々に肥大し、細菌感染や袋が破れたことによって異物反応を起こすと強い痛みや腫れを起こしますが、稗粒腫では炎症がほとんど起きず、見た目以外の自覚症状が少ないことが一般的です。
目の周りの白いポツポツや、なかなか消えない肌のざらつきでお悩みではありませんか?
稗粒腫の治療方法
稗粒腫は良性の皮膚腫瘍であり、必ずしも治療を要する疾患ではなく、経過観察でも問題ありません。
しかし、美容的な理由や増殖による不快感から、除去を希望される場合は、当院にて除去が可能です。
基本的な治療は物理的除去が中心です。
標準的には、専用の針(ランセット)で穿刺して、内容物を押し出す方法(穿刺除去)が用いられます。
処置は短時間で終わり、出血もごくわずかで、痛みも最小限に抑えられ、傷跡もほとんど残らず、治療後は通常のスキンケアが可能です。
この穿刺除去は、保険診療にて行うことができます。
また炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を照射し、熱エネルギーを発生させ、その熱が冷める過程で稗粒腫の組織を破壊して除去するという方法もあります。
治療後、皮膚に赤みが生じたり、かさぶたができたりしますが、かさぶたは1~2週間で剥がれ、赤みなども数ヶ月で目立たなくなります。
短時間で終わる処置ですが、再発や色素沈着に注意が必要です。
炭酸ガスレーザー治療は保険適用外となります。
当院では、症状に合わせた保険診療の稗粒腫治療を行っています。
単に処置を行うだけでなく、痛みに配慮した丁寧な内容物の排出と、術後の肌を健やかに保つアフターケアの提案にも力を入れています。
ご自身で潰して跡や炎症を招く前に、ぜひお気軽にご相談ください。
受診の目安
稗粒腫は良性の腫瘍であり、痛みやかゆみなどの自覚症状がなければ、放置しても健康上の大きな問題はありません。そのため、「本人が見た目を気にしているかどうか」が受診の目安となります。
自然に消えることが少ない成人の場合、スキンケアで改善することは難しいため、鏡を見るたびにストレスを感じるようであれば、皮膚科を受診しましょう。
また、自己判断でニキビと思い込み、市販の薬を塗ったり無理に潰そうとしたりして、赤みや腫れが生じた場合も受診のタイミングです。特に目の周りは皮膚が薄く、自分での処置は細菌感染や跡が残るリスクが高いため、専門医による処置が推奨されます。
そのほか、急激に数が増えた場合や、イボや他の皮膚疾患との区別がつかない場合も、正しく診断してもらうために一度相談することをおすすめします。
稗粒腫のセルフケア・予防
再発を予防するためには、スキンケアや生活習慣の見直しも大切です。
ターンオーバーが遅延すると、古い角質(ケラチン)が排出されにくくなり、稗粒腫の嚢胞形成を促進すると考えられています。
皮膚のバリア機能を整え、肌の代謝を整えましょう。
具体的にはセラミドや天然保湿因子を積極的にスキンケアで補うことが望ましいです。
また溜まった古い角質の排出を促すための角質ケア成分(AHA、BHA、乳酸など)を取り入れることが大切です。
ピーリング洗顔も有効と考えられます。
稗粒腫を取ろうと思って、過剰な洗顔やこすりすぎは、皮膚のバリア機能を悪化させるので逆効果です。
また、紫外線対策は、肌の代謝を整える上でも欠かせません。
新宿駅前IGA皮膚科クリニックでは、スキンケアや生活習慣のアドバイスも行っております。
よくある質問
最後に、当院を受診された患者さまからよく寄せられる質問にお答えします。
自分で潰して角質を出しても大丈夫ですか?
ご自身での処置はおすすめできません。稗粒腫はニキビと異なり、厚い袋状の組織に角質が包まれているため、市販の器具などで押しても簡単には出てきません。
無理に押し出そうとすると、周囲の皮膚を深く傷つけ、細菌感染による化膿や、一生残るようなクレーター状の跡、色素沈着を招く恐れがあります。医療機関では滅菌された器具を用いて最小限の傷で安全に処置を行いますので、必ず皮膚科を受診してください。
市販の塗り薬やピーリングで治りますか?
市販の塗り薬だけで稗粒腫を完全に治すことはできません。稗粒腫は皮膚の深い場所に袋ができているため、表面から薬を塗ってもその袋自体を取り除くことができないのです。
ピーリング石鹸などは、古い角質を除去して肌のターンオーバーを整えるため、新しい稗粒腫ができるのを予防する効果は期待できますが、すでにできてしまった稗粒腫を治療するほどの効果はありません。
放っておくと数が増えたり、人にうつったりしますか?
稗粒腫はウイルスや細菌による感染症ではないため、他の部位に広がったり、他人にうつったりすることはありません。ただし、老化や体質、目をこするなどの物理的な刺激などの原因が改善されないままだと、同じような場所に新しい粒が次々と現れることがあります。
数が増えて見た目が気になる場合は、これ以上増える前に一度専門医に相談し、適切な処置を受けましょう。
一度治療しても、同じ場所に再発することはありますか?
適切に処理をして中の袋ごと取り除けば、まったく同じ場所に再発することは基本的にありません。しかし、稗粒腫ができやすい体質の方、洗顔時に顔を強くこするなどの刺激が続いている方の場合は、すぐ近くの別の部分に稗粒腫が新しくできてしまうことがあります。
再発を防ぐためには、日頃から優しく洗顔を行い、保湿と紫外線対策を徹底して肌のバリア機能を保つことが大切です。

監修:
新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業