当院のスキンケア指導の特徴

肌トラブルの多くは、自己判断による誤ったスキンケアや、現在の肌に合わない化粧品の使用が原因で起こることが少なくありません。

そのため、まず肌質や症状を医学的な視点で評価し、トラブルの原因を明らかにしたうえで、最適なスキンケア方法を提案しています。洗顔や保湿などの基本的なケアであっても、やり方を間違えれば症状を悪化させる可能性があるので注意が必要です。

当院では、肌の構造や働きを踏まえながら、必要なスキンケアを提案しています。

肌質・症状別に医師が指導

スキンケアは誰にとっても同じ方法でよいものではなく、肌質や症状によって適切なケアが異なります。脂性肌・乾燥肌・敏感肌などの肌質の違いだけでなく、ニキビや赤み、シミなどの症状によっても必要な対応が変わります。

当院では、医師が診察を行い、現在の肌状態を正確に把握したうえで個々に合わせたスキンケア指導を行うことが特徴です。自己流のケアでは気づきにくい「洗いすぎ」や「保湿不足」などを確認し、改善点を具体的に解説します。

市販の化粧品と医療用スキンケアの違い

市販の化粧品と当院で取り扱っているスキンケアには、目的や成分設計の考え方に違いがあります。

市販品は幅広い方に使いやすいように設計されている一方、肌トラブルへの対応には限界があるものです。当院で紹介するスキンケアは、個人の肌状態に合ったケアができるように作られています。

肌状態に応じてスキンケアを調整する重要性

肌は季節や体調、年齢などの影響を受けて日々変化しています。そのため、同じスキンケアを続けていても良い状態を保てるとは限りません。以前は問題なく使えていた化粧品が合わなくなったり、環境の変化によって乾燥や皮脂の分泌量が変化することがあります。

当院では、肌に負担がかかっていないか、保湿が十分か、刺激となる要因がないかなどを確認しながら、必要に応じて使用するアイテムの変更やケア方法の調整を行います。

VISIAの肌診断にもとづいたスキンケアの提案

VISIAは、専用の撮影機器を用いて、肌状態を多角的に確認するための画像診断システムです。肉眼では確認しにくい肌の状態を可視化するkとで、現在の肌の傾向を把握する参考資料として活用されます。

シミの見え方や毛穴の状態、肌の色調など、複数の項目を画像として確認できる点が特徴です。将来のシミの予備群もすばやくキャッチします。当院では、VISIAを用いて肌診断を行い、結果に応じたスキンケア方法を提案しています。

脂性肌のスキンケア

脂性肌は皮脂の分泌が多く、テカリや毛穴の開き、ニキビなどのトラブルが起こりやすい肌質です。そのため、油分を減らすことに重点を置いたスキンケアを実施している方も少なくありません。

当院では、皮脂の量だけでなく、水分量とのバランスにも着目しながら、肌への負担を最小限に抑えたスキンケアを指導しています

ビタミンCによる皮脂分泌のコントロール

ビタミンCは、脂性肌のケアにおいて重要な役割を担う成分の一つです。皮脂分泌と関連のある成分であり、過剰な皮脂によるテカリやニキビが気になる方に向いています。

脂性肌の方にとっては、さっぱりとした使用感の製品が多いのも特徴の一つです。スキンケアでは、成分そのものだけでなく、配合量や基剤との組み合わせによって使用感や馴染み方が異なります。

そのため、自身の肌質に合ったものを取り入れることが大切です。

植物油のクレンジングオイルで毛穴汚れをリセット

メイクや皮脂汚れを適切に落とすことは、スキンケアの基本です。クレンジングオイルはメイクなどの油性の汚れに馴染みやすい特性を持ちます。特に植物油は皮脂と似た組成のため、皮脂汚れを落とすことに適しています。

洗浄力の高さだけを重視するのではなく、肌への負担に配慮することも重要です。使用時には、肌をこすらず優しく馴染ませることを意識してください。

日々のクレンジングを丁寧に行うことが、スキンケアの土台づくりにつながります。

抗炎症スキンケアで肌トラブルを防ぐ

グリチルリチン酸などの成分が含まれた化粧品は、肌を健やかに保つことを目的として設計されています。肌荒れを予防する効果が期待できることから、脂性肌で荒れやすい方に向いています。

スキンケアは一時的な対応ではなく、日々の積み重ねによって肌環境を整えていくものであるため、肌トラブルが起こりやすい方は抗炎症スキンケアを日頃から取り入れることも選択肢の一つです。

毛穴対策

毛穴の目立ちは、皮脂や汚れ、角質の蓄積などさまざまな要因が重なって起こりやすくなります。特に皮脂の分泌が活発な方は、毛穴周りに汚れが残りやすく、見た目が気になりやすい傾向にあります。

そのため、毛穴対策では特別なケアを行う前に、日々のスキンケアの基本である「洗う・うるおす・整える」という流れを見直すことが基本です。

洗顔やクレンジングによって肌を清潔に保ち、化粧品によるケアの継続が、肌環境を整えることにつながります。

ピーリング洗顔で角質と毛穴汚れを除去

ピーリング洗顔は、古くなった角質を落とすことを目的とした洗顔料で、日常的なスキンケアに取り入れられる化粧品の一つです。

AHAやBHAなどが代表的な成分として知られています。どちらも化学的に角質の結合をゆるめ、古い角質が剥がれやすいようにするものです。

角質が肌表面に蓄積すると、ざらついたり汚れが残りやすくなったりする原因になります。

ピーリング成分を配合した洗顔料を使用すると、肌表面を清潔に保ちやすくなり、スキンケア全体の土台づくりにもつながります。

レチノールで肌のコンディションを整える

レチノールは、ビタミンAの一種です。化粧品においては、エイジングケアや、肌を健やかに保つための成分として取り入れられており、なめらかな使用感の製品も多く見られます。

レチノール配合化粧品は、製品ごとに種類や配合量、基剤に違いがあるため、自分に合う使用感のものを選ぶことが重要です。

レチノールには、「純粋レチノール」と「レチノール誘導体」があります。

純粋レチノールは活性が高く、ビタミンAとしての効果をダイレクトに発揮します。肌への効果が期待しやすい反面、肌刺激が強めになることもあり、敏感肌の方は要注意です。


レチノール誘導体は安定性に優れ、肌に浸透後にレチノールに変化して作用するため、刺激が穏やかです。毎日のスキンケアに無理なく取り入れやすいのが特徴です。


保湿や紫外線対策とあわせてレチノールを取り入れることで、ハリ感や毛穴へのケアを行うことができます。肌の状態に合わせて、どちらの形態が適しているかは医師にご相談ください。

抗炎症スキンケアで毛穴トラブルを悪化させない

抗炎症を謳うスキンケアは、肌を健やかに保つことを目的として設計されています。グリチルリチン酸ジカリウムやシカ(ツボクサエキス)などが代表的な成分です。グリチルリチン酸ジカリウムはカンゾウ、シカはツボクサから抽出されます。

毛穴周りは摩擦や乾燥の影響を受けやすく、スキンケアの方法によって肌の印象が変わることも珍しくありません。

そのため、抗炎症成分を配合した化粧品を使い、優しく肌をいたわるケアを行うことが基本となります。

クレンジングオイルで汚れをしっかり落とす

クレンジングは、メイクや皮脂汚れを落とすための重要な工程です。クレンジングオイルは、油性の汚れに馴染みやすい特性を持つ化粧品であり、日常のスキンケアに取り入れやすいアイテムの一つです。

クレンジングオイルの中でも、特に植物油の使用を推奨しています。肌に馴染みやすく、負担を最小限にしながらメイクや汚れを落とせるためです。

洗顔料だけでは落としきれないメイク汚れや皮脂を落とし、肌を清潔に保つための役割を持っています。毛穴周りを清潔に保つためにも、基本のケアとして継続していくことが重要です。

ニキビができやすい肌のスキンケア

ニキビができやすい肌は、皮脂の分泌量が多い、毛穴に汚れが残りやすい、角質がたまりやすいなどの特徴を持つことが多く、スキンケアの方法によって肌状態が大きく左右されます。

洗顔をしすぎたり刺激の強い化粧品を使ったりすると、かえって肌のバランスを崩すことがあるので注意が必要です。

また、ニキビができやすい方には植物油を使ったクレンジングオイルやクリームなどは推奨されません。植物油にはニキビの原因となるトリグリセリドが含まれており、肌荒れが悪化する可能性があるためです。

一方で、ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品はニキビ肌の方に適しています。コメドとは、毛穴に皮脂が詰まった状態のことです。ノンコメドジェニックテスト済み=コメドができにくい化粧品であるため、ニキビができやすい方に向いています。

ビタミンCで肌状態を整える

ビタミンCは皮膚の水分や油分のバランスを整えることにより、、肌を健やかに保つことができます。できる限り低刺激なものを選びましょう。

ピーリングで角質ケア

ピーリングは、古くなった角質を落とすことを目的としたスキンケア方法です。AHAやBHAなどの成分が知られています。

角質が肌表面にたまると、洗顔だけでは汚れが落ちにくくなったり、化粧品が馴染みにくくなったりすることがあります。

AHAやBHAは、角質同士の結合をゆるめ、蓄積した角質を取り除きやすくします。

ピーリング化粧品は、日常の洗顔に取り入れやすいタイプから、部分的に使用するタイプまでさまざまです。

スキンケアにおいては、汚れを落とすだけでなく、肌表面を清潔に保つことが基本となります。

シミ・肝斑が気になる方のスキンケア

シミや肝斑は、紫外線の影響や生活習慣の変化、肌状態の乱れなどが重なって生じることがあります。美容治療を行うだけではなく、日々のスキンケアを見直すことが大切です。

保湿や紫外線対策など基本的なケアを継続しながら肌を清潔に保ち、外敵刺激から守ることが健やかな肌環境づくりとなり、治療効果を最大限生かすことができます。

ハイドロキノンは、肌の漂白剤とも呼ばれる美白成分です。メラニン生成を抑止したり、メラニン還元効果があります。4%ハイドロキノンは医療機関では医師の管理のもとで処方されることもあります。

美白効果を持つ一方で、紫外線に当たると刺激が出たり、シミを濃くしてしまうことあるため、夜に使用する、また使用中はしっかりと紫外線対策を行うことも重要です。

一般的に3~6ヶ月を目安に使用し、その後2~3ヶ月の休薬期間を設けます。

トラネキサム酸で内側と外側からケア

トラネキサム酸には外用のスキンケアアイテムと内服薬があります。内服薬は医療用成分であり、メラニンの生成を抑制してシミや肝斑を改善する成分です。

約2~3ヶ月続けて服用すると、効果を実感しやすくなります。外用のスキンケアアイテムは、内服薬が適応ではない方でも使用しやすいことが特徴です。

日焼けによるシミやそばかすや肌トラブルを予防する効果があります。

日焼け止めの日常使いでシミを防ぐ

紫外線は、肌の印象に大きな影響を与える要因の一つです。季節を問わず紫外線は降り注いでいるため、日焼け止めを日常的に使用することが基本となります。

室内にいる時間が長い場合でも、窓越しに紫外線の影響を受ける可能性があるため、外出しないときもしっかり塗布することが重要です。

ビタミンCで透明感のある肌に

ビタミンCは、紫外線を浴びた肌のアフターケアや、日々のダメージ対策として重要な役割を果たします。
乾燥によるくすみを目立たなくし、透明感のある肌へと導きます。


シミや肝斑、くすみが気になる方が日頃のスキンケアに取り入れたい成分です。

トレチノインは、ビタミンA誘導体の一種です。医療機関において、医師の管理のもとで使用されます。市販の化粧品とは異なり、医療用医薬品として扱われる成分であるため、使用にあたっては医師の指示に従うことが大切です。

トレチノインには、肌のターンオーバーを促進して古い角質を取り除いたり、皮脂の分泌を抑えたりする効果があります。

蓄積したメラニンを肌表面に押し出す効果があるため、シミや肝斑のケアに有効です。
当院では0.1%トレチノインを採用しています。

敏感肌の方のスキンケア

敏感肌は、外部からの刺激に対して反応しやすく、乾燥や赤み、かゆみなどを伴いやすい状態です。洗顔やスキンケアの方法によって肌の調子が左右されやすいため、日常のケアを見直すことが重要とされています。

特別なケアを行うよりも、毎日のスキンケアを丁寧に続けることがポイントです。

泡洗顔で摩擦を防ぐ

敏感肌の方にとって、洗顔時の摩擦は大きな負担になります。手で強くこすったり、洗顔料を十分に泡立てずに使用したりすると、肌への刺激が生じやすくなるので注意が必要です。

泡洗顔は、きめ細かい泡をクッションとして使い、肌に直接触れる回数を減らしながら洗顔を行う方法です。泡で汚れを包み込むように洗うことで、肌への負担を抑えながら清潔に保てます。

泡で出てくるタイプではない洗顔料をお使いの方は、泡立てネットを使用してしっかり泡を立てましょう。泡立てネットは雑菌やカビが繁殖しやすいため、使用後は乾燥した状態で保管してください。

セラミドによるバリア機能重視の保湿ケア

肌には、外部刺激から守るためのバリア機能が備わっています。敏感肌の方は、このバリア機能が低下し、乾燥や刺激の影響を受けやすい状態です。そのため、保湿はスキンケアの中でも特に重要となります。

保湿は肌にうるおいを与え、日常の乾燥から肌を守る役割を担います。保湿成分としては、ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなどが代表的です。

酒さが気になる方のスキンケア

酒さは、赤みやほてり感があらわれやすい状態です。肌が外部刺激に反応しやすいため、スキンケアでは刺激をできるだけ与えないように工夫する必要があります。

酒さがある場合は、洗顔や紫外線対策など毎日の生活の中で無理なく続けられるケアを行い、肌を健やかに保つことが重要です。

泡洗顔で肌へのダメージを最小限に抑える

酒さがある肌は、洗顔時の刺激によって赤みが目立ちやすくなることがあります。そのため、酒さがある方は肌に刺激を与える洗顔は避けてください。

手で強くこすったり、洗顔料を十分に泡立てずに使用したりすると、摩擦が生じやすくなるので注意が必要です。

泡洗顔は、きめ細かい泡を使うことで、肌への刺激を最小限にできます。指先でこすらず、泡を転がすような感覚で使用することがポイントです。

また、洗い流すときも肌をゴシゴシこすらないようにしてください。十分な量のぬるま湯を使い、優しく洗い流します。

日焼け止めで赤み対策

紫外線は、肌の乾燥や外部刺激の一因となることが知られています。酒さが気になる方にとって、紫外線対策は基本です。

日焼け止めは屋外に出るときだけでなく、通勤や買い物など短時間の外出でも習慣的に使用しましょう。

バリア機能を意識した保湿ケア

肌の表面には、外部刺激から守るバリア機能と呼ばれる働きがあります。酒さが気になる方は、このバリア機能が低下しやすく、乾燥や刺激の影響を受けやすいことが特徴です。

そのため、スキンケアではバリア機能を重視したケアが基本となります。

たるみが気になる方のスキンケア

たるみは、年齢の変化や乾燥、紫外線の影響などが重なって起こりやすく、顔全体の印象に影響を与える要因です。スキンケアにおいては、日常のケアから変えていく必要があります。

たるみは短期間で大きく変化するものではなく、毎日の積み重ねによって肌の印象が変わっていきます。

そのため、無理なく続けられるスキンケアを習慣化し、肌の状態を観察しながらケアを行うことが大切です。

PDRNで内側から肌を再生

ポリヌクレオチドは、リジュランなどの美容医療で使用される注入用成分ですが、PDRNという、分子量を小さくし、皮膚への浸透力を高めた化粧品に適した原料も開発されています。

医療グレードと比較すると効果は限定的ですが、サーモン由来のこの成分を配合したスキンケア化粧品は、肌の再生をサポートし、たるみが気になる方の日常ケアに適しています。

ビタミンCでハリを与える

たるみが気になる方は、乾燥やハリ感の低下により、肌全体がゆるんで見えやすくなる傾向があります。

ビタミンCを配合した化粧品は、日常のエイジングケア発想のスキンケアに取り入れられることが多い成分の一つです。コラーゲンと相性がよく、ハリのある肌に導きます。

レチノールでエイジングケア

レチノールは、ビタミンA由来の成分として化粧品に配合されることがある成分です。ハリと弾力を高める効果があり、たるみや毛穴が気になる方に向いており、30代以降は取り入れてほしい成分です。

保湿や紫外線対策とあわせてレチノールを取り入れることで、ハリ感をアップできます。

トレチノインでハリと弾力を高める

トレチノインはビタミンA誘導体に分類される医薬品です。化粧品が肌のコンディションを整えることを目的とするのに対して、トレチノインは医薬品であり、コラーゲンの生成を促してたるみを改善することが特徴です。

レチノールもビタミンA誘導体の一種ですが、トレチノインはレチノールの約50~100倍の活性を持っています。

肌トラブルやスキンケアの相談なら新宿駅前IGA皮膚科クリニック

肌の悩みは、年齢や体質、生活環境によってあらわれ方が異なり、同じ症状であっても原因は一人ひとり異なります。そのため、自己流のスキンケアだけでは対応が難しいケースも少なくありません。

当院では、皮膚の状態を専門的な視点から確認し、現在の肌に必要なケアの考え方を分かりやすく説明しています。

肌質や症状に合わせた提案を行うことを重視しており、スキンケアの基本から専門的な内容まで丁寧にご案内しています。

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修:

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業