ニキビ跡の種類

ニキビ跡は、炎症が治まった後に皮膚に残るダメージの痕跡です。主に赤みや色素沈着、しこり、ケロイド、クレーターなどのタイプに分けられます。

浅い炎症であれば、時間の経過とともに薄くなることもありますが、炎症が真皮層まで及ぶと、クレーターやケロイドなどの形で残ってしまうので注意が必要です。

ニキビ跡のタイプを見極めることは、適切な治療法を選択するうえで欠かせません。見た目の変化は心理的な負担にもつながるため、自己判断でケアせず、早めに専門医へ相談することが大切です。

皮膚の状態に合った治療を受けることで、肌の質感や印象を大きく改善できます。

赤み

ニキビ跡の赤みは、炎症が治まった後も毛細血管が拡張したまま残ることで生じます。炎症後紅斑とも呼ばれており、時間をかけて自然治癒する可能性があります。

しかし、自然治癒する過程で何度もニキビができて皮膚がダメージを受けてしまうと、皮膚の修復がうまくいかずに跡が残ることもあるので注意が必要です。

色素沈着

色素沈着型のニキビ跡は、炎症によって生成されたメラニンが皮膚に残ることで起こります。

炎症が強かったり、紫外線を浴びたりすると、メラニンの排出が追いつかずにシミのように残ってしまうことも少なくありません。ニキビによる色素沈着は、時間の経過とともに改善する傾向にあります。

しこり・ケロイド

しこりのニキビ跡は、ニキビが治った後に皮膚が修復する過程で、コラーゲンが過剰に生成されることが原因です。正常な他の皮膚とは異なり、触ると硬く感じます。数週間から数ヶ月程度で改善する例もありますが、長時間残ることもあります。

ケロイドは、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と呼ばれるニキビ跡が盛り上がって硬くなった状態がさらに進行したものです。

ニキビができていた部分だけではなく、正常な皮膚まで盛り上がりが広がります。セルフケアでの治癒は困難なため、早めに専門医へ相談することが大切です。

クレーター

クレーター状のニキビ跡は、皮膚の奥にある真皮層まで炎症が達し、組織が破壊されて陥没した状態です。

見た目は小さな穴や凹みのように見え、皮膚の表面がボコボコした状態になります。皮脂腺が発達している頬や額、こめかみなどはクレーター状のニキビ跡ができやすい場所です。

ニキビ跡のタイプとサブシジョンの効果

肌断面図

クレーター状のニキビ跡には、主に「アイスピック型」「ボックスカー型」「ローリング型」の3つのタイプがあります。
この中で、サブシジョンが特に効果を発揮するのは「ローリング型」のニキビ跡です。
これは皮膚の奥で線維組織が癒着し、皮膚表面を内側に引き込むことで、なだらかな凹凸ができるタイプです。
サブシジョンによりこの癒着を断ち切ることで、皮膚が内側から持ち上がり、凹みが目立たなくなることが期待できます。
再構築された皮膚は、コラーゲン増生によってハリが生まれ、肌のなめらかさも改善されていきます。
施術回数は1回でも効果を実感される方もいらっしゃいますが、より効果を高めるために状態に応じて2~3回の施術を1~2ヶ月間隔で行うことをおすすめしています。

サブシジョンとは

サブシジョンとは、主にニキビ跡などによってできたクレーター状の凹みに対して行う治療法です。

皮膚の深い部分で癒着してしまっている組織を、特殊な針や器具を用いて物理的に剥がすことで、肌表面の凹みを改善し、なめらかな肌へと導くことが期待できます。

ニキビ跡の中でも、癒着が原因となる「ローリング型」のクレーターに高い効果を発揮しますが、「ボックスカー型」や「アイスピック型」にも一定の改善効果が期待できます。

皮膚の下に隠れてしまっている癒着を開放することで、真皮の再構築が促され、自然治癒力とコラーゲンの生成によって、徐々に肌の質感が改善していきます。

当院のサブシジョンの施術方法

サブシジョンによる施術方法(従来型)

従来から行われているサブシジョンによる施術では、極細の特殊な針(カニューレやノコン針など)を使用し、肌表面に小さな穴を開けて、真皮下にある癒着を丁寧に剥がしていきます。

針は癒着の方向に合わせて慎重に挿入し、剥離作業を行います。

施術後には、内出血が出る場合がありますが、数日~1週間程度で徐々に改善します。

場合によっては、剥がしたスペースに空洞ができてしまうため、ヒアルロン酸や肌育製剤などを併用して注入することもあります。

これにより、さらになめらかな仕上がりが期待できます。

トライフィルプロによる施術方法


近年では炭酸ガス(CO2)を用いたトライフィルプロによる針を使わないサブシジョン法も行われています。トライフィルプロは、従来の針による方法と比較して痛みやダウンタイムが軽減されることが特徴です。

従来のサブシジョンでは、真皮下の癒着を針で切断していました。一方で、トライフィルプロでは針の代わりに炭酸ガス(CO2ガス)を注入して癒着を剥離し、組織の再生効果のある薬剤を注入します。

また、炭酸ガス(CO2ガス)による剥離は、針による物理的切断とは異なるメカニズムで組織剥離を行うため、患者さんの負担軽減につながります。

専用のカートリッジを使用するため、専用のカートリッジを使用するため、手技によって効果が左右されず、安定した効果が期待できるのも魅力です。

なお、クレーターに対して組織の剥離が必要となるため、原則医師施術となります。

サブシジョンの特徴

サブシジョンは、レーザーなどでは届きにくい深部の癒着に直接アプローチできる点が大きな特徴です。
皮膚を切除することなく、内側から構造的に改善を図れるため、自然な肌の再生が期待できます。

サブシジョンの主なメリット

  • クレーター状のニキビ跡に対して高い効果が期待できます
  • 皮膚を削らなくても改善が期待できます
  • コラーゲンの自然増生を促し、肌の弾力や質感も向上します
  • 美容成分の併用により、さらなる相乗効果が得られます

サブシジョンがおすすめの方

  • 凹凸のあるニキビ跡が長年改善しない方
  • レーザー治療などで十分な効果を得られなかった方
  • 肌質の改善と同時に、肌のハリ感も取り戻したい方
  • ダウンタイムをある程度許容できる方

ニキビ跡(クレーター)が残ってしまう原因

クレーター状のニキビ跡が残るのは、炎症が皮膚の深い層(真皮層)まで達して組織を破壊してしまうためです。真皮層では、肌の弾力やハリを支えるためのコラーゲンが産生されています。

ニキビの炎症が強いと、皮膚を支えるコラーゲン繊維が壊れ、皮膚の修復が追いつかずに陥没したまま跡が残るのです。また、無理にニキビを潰したり強く触ったりすることで炎症が悪化し、クレーターができやすくなる場合もあります。

サブシジョンで改善効果が期待できるお悩み

クレーター状のニキビ跡

ニキビが慢性化し、真皮層までダメージが及んだ場合、治癒後に皮膚が凹んで「クレーター状のニキビ跡」が残ることがあります。
特に、癒着が強いと皮膚が引きつったように見えることがあり、見た目の印象を大きく左右します。

クレーター・凹みのにきび跡にはトライフィルプロが有効

トライフィルプロはCO2ガスを利用したマイクロサブシジョン技術を採用しており、従来の手法によるサブシジョンと比べてダウンタイムが少ないのが特徴です。

従来型サブシジョンでは1~2週間程度、内出血や腫れが残ることがありますが、トライフィルプロでは1~3日ほどで落ち着きます。

また、ドラッグデリバリーシステムを利用してジュベルックやリジュランSなどを肌へ均一に届けることも可能です。ジュベルックやリジュランSには、皮膚に自己修復力を高めてなめらかに整える働きがあります。

クレーター状のニキビ跡の治療は、まずはダウンタイムの少ないトライフィルプロから始めるのがおすすめです。

サブシジョンと他のニキビ跡治療との違い

ニキビ跡の治療には、サブシジョンの他にもダーマペンやフラクショナルCO2レーザー、注入治療などさまざまな方法があります。

これらはいずれも皮膚の再生を促す治療ですが、アプローチの方法が異なるのでよく確認しておきましょう。

ダーマペンとの違い

ダーマペンは、極細の針で皮膚表面に微細な穴を開け、創傷治癒の力で肌の再生を促す治療法です。

肌のハリやキメの改善などに効果が期待できますが、深いクレーター状のニキビ跡には限界があり、基本的にダーマペン単体での施術では効果がありません。

サブシジョンでクレーター状のニキビ跡の根本治療を行い、その後に肌状態を維持するためにダーマペンの施術を行い場合があります。

フラクショナルCO2レーザーとの違い

フラクショナルCO2レーザーは、ダーマペンが針で穴を開けるのに対してレーザーによって表面に細かな穴を開ける治療法です。肌が再生する過程でコラーゲンの生成を促し、皮膚の凸凹や毛穴などを改善します。

こちらも、単体で治療を行う場合、クレーター状のニキビ跡には基本的に効果がありません。ただし、ダーマペンと同様にサブシジョンで根本治療を行った後の維持療法として行う場合があります。

ジュベルックやリジュランなどの単体注入との違い

ジュベルックは、主成分としてポリ乳酸を含んでおり、皮内や皮下に注射してコラーゲンの生成を促す治療です。リジュランは、サーモンから抽出したポリヌクレオチドを有効成分としており、皮下に注射をして細胞の再生と成長を促します。

そもそもクレーター状のニキビ跡は、瘢痕組織を剥離させなければ改善できません。そのため、ジュベルックやリジュランなどを単体注入しても、クレーターの根本改善にはつながらないことに注意が必要です。

ただし、サブシジョンと組み合わせて注入治療も行えば、相乗効果でより高い効果が期待できます。

当院のサブシジョンと注入治療の組み合わせについて

組み合わせることの効果・メリット

サブシジョンで癒着を解除した直後の皮膚は、美容成分が浸透しやすい状態になっています。
このタイミングでヒアルロン酸や再生促進製剤などを注入することで、凹み部分のボリューム補填や真皮の再生をさらに促進することが期待できます。
また、治療の相乗効果によって、より短期間での肌質改善や、クレーターのなめらかな改善を実感しやすくなることが期待できる点もメリットです。

このような場合に組み合わせた治療をおすすめします

  • クレーターの深さが目立つ方
  • 凹みによる影が気になる方
  • 皮膚のたるみやハリの低下も伴っている方
  • より早く確実な改善効果を求めている方

使用する美容成分について

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は肌のうるおいとボリュームを保つ重要な成分で、凹み部分の底上げに有効です。
注入することで、皮膚をふっくらと持ち上げ、なめらかな表面を再構築することが期待できます。

リジュラン・ジュベルック・レニスナ(ジュベルックボリューム)

リジュランS

リジュランはポリヌクレオチド、ジュベルックとレニスナはポリ乳酸を主成分とし、真皮の再構築と血流改善を促進します。

当院ではリジュランHBとリジュランSの取扱がありますが、クレーター治療には組織再生力の高い「リジュランS」を推奨しています。

サブシジョン後に注入することでコラーゲン生成が活性化し、凹凸改善と肌のハリ・潤いアップが期待できるため、相乗効果でより滑らかな肌質へ導くことが期待できます。

サブシジョンの注意点

副作用

  • 内出血、腫れ、赤み
  • 一時的な痛みや違和感
  • まれに感染や色素沈着

※内出血はほとんどの場合、数日から1週間程度で自然に軽快します。

ダウンタイム

  • 1〜2週間程度、内出血や腫れが残る場合があります。
  • 治療後はメイクを控えていただく必要があります(翌日以降は可能な場合もあります)。

禁忌

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 出血傾向のある方
  • ケロイド体質の方
  • 施術部位に炎症や感染がある方

施術後の注意事項

  • 当日は洗顔・入浴・激しい運動を控えてください。
  • 内出血がある場合は、アイスパックでのクーリングをおすすめします。
  • 施術部位はこすらず、優しく保湿を心がけましょう。
  • 紫外線対策を徹底してください。

当院のサブシジョンの治療方針

当院では、ニキビ跡の状態やお肌の質、これまでの治療歴を丁寧に診察し、VISIAなどの肌解析装置も用いて、それぞれの患者さまに最適な治療計画をご提案いたします。

まずは、ダウンタイムが少ないトライフィルプロを用いたサブシジョンを肌の状態に合わせて行うのが理想です。施術を数回行っても改善が見られない場合は、従来の治療であるサブシジョンを行います。

ダウンタイムの少ない治療を心がけ、治療後の経過についてもきめ細やかにフォローし、患者さまの肌状態に寄り添ったサポートを行ってまいります。

なお当院では、トライフィルプロを使用しての針によらないサブシジョンも行っています。
詳しくはこちらをご覧ください。

サブシジョンによる施術の流れ

1.カウンセリング・診察

医師がニキビ跡の状態やご希望を丁寧にうかがい、治療の適応を判断します。

2.洗顔・クレンジング

施術前にメイクや皮脂をしっかり落としていただきます。

3.麻酔処置

施術部位に局所麻酔を行い、痛みを最小限に抑えます。

4.サブシジョン施術

極細の針を用いて、癒着を丁寧に剥離していきます。

5.必要に応じて注入治療

状態に応じて、ジュベルックやヒアルロン酸などを注入します。

6.アフターケア・ご説明

施術後の注意点や経過観察について、しっかりとご案内いたします。

ご不安な点やご質問がございましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください

ニキビ跡(クレーター)に関するよくある質問

クレーター状のニキビ跡は、真皮層まで炎症が進んだ結果残るもので、自然に治すのは難しいとされています。ここでは、ニキビ跡が気になる方からよく聞かれる質問にお答えします。

クレーターになったニキビ跡を自力で治す方法はありますか?

クレーター状のニキビ跡は、真皮層のコラーゲン繊維が破壊されて皮膚が陥没している状態のため、自然な回復力だけで完全に治すことはできません。

スキンケアや生活習慣の見直しによって肌の新陳代謝を促すことはできますが、皮膚構造そのものを再生させるには限界があります。クレーター状のニキビ跡を改善するには、医療的なアプローチを検討するのがおすすめです。

クレーターのニキビ跡はパックで改善しますか?

パックは一時的に肌のうるおいや透明感を与えるサポートとしては有効ですが、クレーター状のニキビ跡を根本的に改善する効果は期待できません。

クレーターは皮膚の深い層まで損傷が及んでいるため、表面にある角質層までしか作用しないパックでは真皮層の再生まで促すことはできないからです。パックはクレーターの治療というよりも、肌の土台を整えるのに役立つケアだといえます。

クレーターのニキビ跡に効く美容液はありますか?

クレーター状のニキビ跡に直接的な治療効果をもたらす美容液は存在しません。美容液は肌の基礎を整える役割はありますが、クレーターの場合は皮膚の再生が必要となり、医療的な治療が必要不可欠です。

料金について

未承認医薬品等に関するご案内

・未承認医薬品であることの明示
本施術に使用する医薬品は、医薬品医療機器等法上、未承認医薬品です。

・入手経路等の明示
施術に用いる医薬品および機器は、当院医師の判断の元、国内輸入販売代理店を通じて個人輸入手続きを行ったものです。

・国内の承認医薬品等の有無の明示
同一の性能を有する国内承認医薬品・医療機器はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報の明示
諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。
なお、リジュランは韓国食品医薬品安全省(MFDS)の認証、EU加盟国の安全基準条件を満たすことを証明する「CEマーク」を取得しています。
トライフィルプロは、韓国食品医薬品局(MFDS)の承認を受けています。

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修:

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業