サブシジョンとは

サブシジョンとは、主にニキビ跡などによってできたクレーター状の凹みに対して行う治療法です。
皮膚の深い部分で癒着してしまっている組織を、特殊な針や器具を用いて物理的に剥がすことで、肌表面の凹みを改善し、なめらかな肌へと導くことが期待できます。
ニキビ跡の中でも、特に凹みが強く残っている「ローリング型」のクレーターに高い効果を発揮します。
皮膚の下に隠れてしまっている癒着を開放することで、真皮の再構築が促され、自然治癒力とコラーゲンの生成によって、徐々に肌の質感が改善していきます。

サブシジョンの施術方法

施術では、極細の特殊な針(カニューレやノコン針など)を使用し、肌表面に小さな穴を開けて、真皮下にある癒着を丁寧に剥がしていきます。
針は癒着の方向に合わせて慎重に挿入し、剥離作業を行います。
施術後には、内出血が出る場合がありますが、数日〜1週間程度で徐々に改善します。
場合によっては、剥がしたスペースに空洞ができてしまうため、ヒアルロン酸や肌育製剤などを併用して注入することもあります。
これにより、さらになめらかな仕上がりが期待できます。
また、近年では炭酸ガス(CO2)を用いたトライフィルプロによる針を使わないサブシジョン法も行われており、従来の針による方法と比較して痛みやダウンタイムが軽減されるとされています。

サブシジョンの特徴

サブシジョンは、レーザーなどでは届きにくい深部の癒着に直接アプローチできる点が大きな特徴です。
皮膚を切除することなく、内側から構造的に改善を図れるため、自然な肌の再生が期待できます。

主なメリットは以下の通りです

  • クレーター状のニキビ跡に対して高い効果が期待できます
  • 皮膚を削らなくても改善が期待できます
  • コラーゲンの自然増生を促し、肌の弾力や質感も向上します
  • 美容成分の併用により、さらなる相乗効果が得られます

こんな方にサブシジョンはおすすめです

  • 凹凸のあるニキビ跡が長年改善しない方
  • レーザー治療などで十分な効果を得られなかった方
  • 肌質の改善と同時に、肌のハリ感も取り戻したい方
  • ダウンタイムをある程度許容できる方

サブシジョンで改善効果が期待できるお悩み

ニキビ跡(クレーター)

ニキビが慢性化し、真皮層までダメージが及んだ場合、治癒後に皮膚が凹んで「クレーター状のニキビ跡」が残ることがあります。
特に、癒着が強いと皮膚が引きつったように見えることがあり、見た目の印象を大きく左右します。

ニキビ跡のタイプとサブシジョンの効果

肌断面図

クレーター状のニキビ跡には、主に「アイスピック型」「ボックスカー型」「ローリング型」の3つのタイプがあります。
この中で、サブシジョンが特に効果を発揮するのは「ローリング型」のニキビ跡です。
これは皮膚の奥で線維組織が癒着し、皮膚表面を内側に引き込むことで、なだらかな凹凸ができるタイプです。
サブシジョンによりこの癒着を断ち切ることで、皮膚が内側から持ち上がり、凹みが目立たなくなることが期待できます。
再構築された皮膚は、コラーゲン増生によってハリが生まれ、肌のなめらかさも改善されていきます。
施術回数は1回でも効果を実感される方もいらっしゃいますが、より効果を高めるために状態に応じて2~3回の施術を1~2ヶ月間隔で行うことをおすすめしています。

サブシジョンと美容成分注入治療の組み合わせについて

組み合わせることの効果・メリット

サブシジョンで癒着を解除した直後の皮膚は、美容成分が浸透しやすい状態になっています。
このタイミングでヒアルロン酸や再生促進製剤などを注入することで、凹み部分のボリューム補填や真皮の再生をさらに促進することが期待できます。
また、治療の相乗効果によって、より短期間での肌質改善や、クレーターのなめらかな改善を実感しやすくなることが期待できる点もメリットです。

このような場合に組み合わせた治療をおすすめします

  • クレーターの深さが目立つ方
  • 凹みによる影が気になる方
  • 皮膚のたるみやハリの低下も伴っている方
  • より早く確実な改善効果を求めている方

使用する美容成分について

ヒアルロン酸

アラガン社ヒアルロン酸ボリューマ

ヒアルロン酸は肌のうるおいとボリュームを保つ重要な成分で、凹み部分の底上げに有効です。
注入することで、皮膚をふっくらと持ち上げ、なめらかな表面を再構築することが期待できます。

リジュラン

リジュランS

リジュランはポリヌクレオチドを主成分とし、真皮の再構築と血流改善を促進します。
サブシジョン後に注入することでコラーゲン生成が活性化し、凹凸改善と肌のハリ・潤いアップが期待できるため、相乗効果でより滑らかな肌質へ導くことが期待できます。

サブシジョンの注意点

副作用

  • 内出血、腫れ、赤み
  • 一時的な痛みや違和感
  • まれに感染や色素沈着

※内出血はほとんどの場合、数日から1週間程度で自然に軽快します。

ダウンタイム

  • 1〜2週間程度、内出血や腫れが残る場合があります。
  • 治療後はメイクを控えていただく必要があります(翌日以降は可能な場合もあります)。

禁忌

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 出血傾向のある方
  • ケロイド体質の方
  • 施術部位に炎症や感染がある方

施術後の注意事項

  • 当日は洗顔・入浴・激しい運動を控えてください。
  • 内出血がある場合は、アイスパックでのクーリングをおすすめします。
  • 施術部位はこすらず、優しく保湿を心がけましょう。
  • 紫外線対策を徹底してください。

当院のサブシジョンの治療方針

当院では、ニキビ跡の状態やお肌の質、これまでの治療歴を丁寧に診察し、VISIAなどの肌解析装置も用いて、それぞれの患者さまに最適な治療計画をご提案いたします。
単独でのサブシジョンに加え、ジュベルックやヒアルロン酸などの注入治療と組み合わせることで、より効果的な改善を目指します。
治療後の経過についてもきめ細やかにフォローし、患者さまの肌状態に寄り添ったサポートを行ってまいります。

なお当院では、トライフィルプロを使用しての針によらないサブシジョンも行っています。
詳しくはこちらをご覧ください。

サブシジョンによる施術の流れ

1.カウンセリング・診察

医師がニキビ跡の状態やご希望を丁寧にうかがい、治療の適応を判断します。

2.洗顔・クレンジング

施術前にメイクや皮脂をしっかり落としていただきます。

3.麻酔処置

施術部位に局所麻酔を行い、痛みを最小限に抑えます。

4.サブシジョン施術

極細の針を用いて、癒着を丁寧に剥離していきます。

5.必要に応じて注入治療

状態に応じて、ジュベルックやヒアルロン酸などを注入します。

6.アフターケア・ご説明

施術後の注意点や経過観察について、しっかりとご案内いたします。

ご不安な点やご質問がございましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください

料金について

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修:

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業