ほくろとは

ほくろ

ほくろとは、皮膚の一部にメラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)が集まってできた良性の色素性母斑のことを指します。 


生まれつきあるものもあれば、思春期以降に紫外線やホルモンの影響でできる後天的なものもあります。 
形や色、大きさはさまざまで、盛り上がっているものや平らなもの、黒、茶、肌色など色合いも異なります。

 
顔や首といった目立つ部位にできると、見た目が気になってしまうことも多く、美容的な目的で除去を希望される方が増えています。

なお、ほくろは茶色や黒だけでなく、ピンク色や肌色に見えることもあります。メラニンが少ないメラノサイトが増殖している場合に多いです。
隆起したピンク~肌色のほくろはイボやできものと誤認されることが少なくありませんが、これは盛り上がった母斑の一種です。

医学的には良性である場合がほとんどですが、ダーモスコピーで正確に診断することが重要です。色が濃い黒いほくろと同様に、ピンク色のほくろについても皮膚科専門医の診察をお勧めします。

ほくろの症状

一般的なほくろは境界がはっきりしており、色が均一で、ゆっくりと変化します。 
しかし中には徐々に大きくなったり、色が濃くなったり、形がいびつになったりするものもあります。 


痛みやかゆみ、出血がみられる場合は、まれに皮膚がんの可能性もあるため注意が必要です。 
美容目的で除去を考える場合でも、まず医師が診察し、良性かどうかをしっかり確認することが大切です。  

ほくろができる原因・仕組み

ほくろは、皮膚にあるメラノサイト(色素細胞)が何らかの刺激で増殖し、一か所に集まって色素を多く生成することで生じます。


紫外線を多く浴びることや、ホルモンバランスの変化、遺伝的な要因も関与していると考えられています。 
また、摩擦や刺激が繰り返される部位にもできやすい傾向があります。 


加齢によって目立つようになるケースもあり、年齢に応じた変化にも注意が必要です。

ほくろの注意点

すべてのほくろが良性とは限りません。以下のような変化が見られる場合は、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性もあるため、早めに皮膚科を受診しましょう。 

  • 急激に大きくなった
  • 不規則な形や色をしている
  • 周囲がにじんでいる 
  • 出血やかさぶたができる
  • かゆみや痛みがある

注意すべきメラノーマの見分け方

ほくろを除去する際に重要なのが、それがメラノーマ(悪性黒色腫)ではないかを見極めることです。一見、普通のほくろに見えても、実は皮膚のがんと呼ばれるメラノーマである可能性があります。

もし悪性であった場合、安易にレーザーなどで刺激を与えてしまうと、かえって病状を悪化させる危険性があるので注意が必要です。

ABCDEルール

ほくろとメラノーマを見分ける指標として、「ABCDEルール」と呼ばれるものが使われています。このルールでは、以下の5つのポイントをチェックします。

  • A(Asymmetry:非対称性)
  • B(Border:境界)
  • C(Color:色)
  • D(Diameter:直径)
  • E(Evolution:大きさ・色・形)

まず、Aの非対称性は、ほくろの形が左右非対象でないかを確認するものです。Bは縁がギザギザしていたり、ぼやけていたりしないかを見ます。

Cは色が均一ではなく、黒や茶、赤、白などが混ざってないかどうかが重要です。Dは、大きさが直径6mmを超えている場合は良性でない場合があります。

Eは、数ヶ月の間に形や大きさ、色が変化していないか、出血や盛り上がりが急に出てきていないかを確かめます。

皮膚科で行うダーモスコピーとは

ダーモスコピーとは、肉眼では判断が難しいほくろの状態を、精密に解析するために用いるものです。

特殊な拡大レンズを用いて皮膚の深い層にある色素の分布や、構造を詳細に観察できます。

診断項目良性母斑(色素性母斑)メラノーマ
形状対称的・規則正しい非対称・不規則
色調均一な色(1~2色)多色性(黒・褐・赤・白など)
色素ネットワーク規則正しく均一不規則で太さ・間隔が不均一
ドット・グロブール均一な大きさで整然不規則で大きさがバラバラ
辺縁左右対称で整然不規則・偽足状突起あり
血管目立たない異型血管(多形性)が存在
ストリークなし放射状・鋸歯状に伸びる

良性母斑の特徴的所見

  • 対称的な形状・構造
  • 均一な色調
  • 規則正しい色素ネットワーク(均一な太さ・間隔)
  • 均一に分布し、大きさが一様なドット・グロブール
  • 辺縁が左右対称で整然とした構造
  • 点状~粒状の色素の配列が均一
  • 血管が目立たない
  • 色素ネットワークが徐々に消失する明確な境界
  • 皮溝平行パターン(Parallel Furrow Pattern; PFP)、格子様パターン(Lattice-like Pattern; LLP)、 細線維パターン(Fibrillar Pattern; FP)(足底色素性母斑の場合)

メラノーマを疑うダーモスコピー所見

  • 非対称性の色素分布・構造
  • 偽足状突起(辺縁から外側へ伸びる不規則な突起)
  • 異型血管の存在(点状・線状など多形性の血管)
  • 青白いベール様構造
  • シャイニーホワイト構造(線維化を示す白色線状・点状構造)
  • 不規則な色素網目(太さ・間隔が不均一)
  • 不規則なドット・グロブール(大きさ・分布が不均一)
  • 不規則なストリーク(周辺に放射状・鋸歯状に伸びる色素)
  • 陰性ネットワーク(色素低下領域を伴うネットワーク)

足底メラノーマで特に重要な所見

上記に加えて、以下が足裏で見られる場合はメラノーマを強く疑います。

  • 皮丘平行パターン(parallel ridge pattern) – 足丘に沿って色素が並ぶ不規則なパターン

ほくろとイボの違い

ほくろとイボは一見似ていますが、医学的にはまったく異なる皮膚の状態であり、治療法もそれぞれ違います。

ほくろは色素細胞が密集してできたもの、イボはウイルス感染や加齢による皮膚の増殖が原因です。

ほくろは医学用語で母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)と呼ばれ、イボは感染性の尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)や加齢による脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)を指します。

ほくろの正体は、メラニン色素を作り出す細胞に似た母斑細胞が皮膚の一部に集まって増えたものです。

一方でイボは、大きく分けて2つのタイプがあります。一つは、ヒトパピローマウイルスというウイルスが皮膚の小さな傷から入り込むことで発生するウイルス性のものです。

もう一つは、長年の紫外線ダメージや老化によって皮膚が厚く盛り上がる加齢性のものが知られています。

見た目の違い

特徴
ほくろ平らで色が均一なことが多い。
イボ表面がザラザラしていたり、皮膚から盛り上がって形が不規則

見た目で見分けるポイントは、まず表面の質感にあります。ほくろは表面が比較的なめらかで、境界線がはっきりしており、色は黒色や茶褐色で均一なことが一般的です。

一方、イボは表面がカサカサしていたり、カリフラワーのようにデコボコしていたりすることが多く、触ると硬さを感じることがあります。また、色は茶色だけでなく、皮膚の色に近いものや灰色がかったものまでさまざまです。

発生する原因の違い

主な原因
ほくろ・遺伝
・紫外線
・ホルモンバランスの変化
イボ・ヒトパピローマウイルスの感染
・老化
・老化
・遺伝紫外線

ほくろは遺伝的要因や紫外線による細胞の活性化、イボはウイルス感染や長年の肌のダメージ、老化などが原因となります。ほくろができるきっかけは、主に生まれつきの体質や成長の過程で浴びた紫外線による影響です。


これに対してイボの原因は、種類によって異なります。若い方にも多いウイルス性のイボは、ヒトパピローマウイルスが原因です。顔にできるイボは「青年性扁平疣贅」といわれます。一方で中年以降に増えるイボは「脂漏性角化症」は、蓄積された紫外線ダメージや皮膚の摩擦、細胞の老化などが引き金となります。

当院で行うほくろの治療

当院では治療を行う前に皮膚科専門医がほくろをダーモスコピーで確認し、良性であることを確認してから治療を行っています。 
また、直径が6mm以下で、深達度が真皮浅層までの平坦または軽度隆起性のほくろは、整容面での仕上がりを重視し炭酸ガスレーザーによる治療を行っています。  

炭酸ガスレーザー(NEWレザック

NEWレザック

皮膚をピンポイントで蒸散させる炭酸ガスレーザーにより、隆起性のほくろを丁寧に削り取ります。 
出血が少なく、仕上がりもなめらかで、顔や首の目立つ部位に向いています。

推奨回数

1回で終了することが多いです 

副作用

軽度の赤み、色素沈着、一時的な凹み、再発

ダウンタイム

かさぶたができ、7~10日程度で自然に取れます 

禁忌

ケロイド体質、妊娠中、悪性の疑いがある場合

外科的除去

メスで切除、専用のパンチ型器具を用いてほくろを円形にくり抜き、縫合する方法です。根が深いほくろや大きめのほくろ、組織検査を伴うケースに適しており、保険適応となります。 

推奨回数

1回

副作用

出血、瘢痕、感染リスク

ダウンタイム

抜糸まで1週間、傷跡が落ち着くまで数カ月

禁忌

出血傾向がある方、感染性疾患のある部位 

くり抜き法(パンチ除去)

専用のパンチ型器具を用いてほくろを円形にくり抜く方法です。 
縫合の必要がなく、比較的小さなほくろに適しており、保険適応となります。 
傷跡が小さく済むのがメリットです。 

推奨回数

1回

副作用

赤み、凹み、色素沈着 

ダウンタイム

かさぶたが取れるまで1~2週間 

禁忌

出血傾向、感染症、悪性が疑われるもの

症例紹介

ほくろ(色素性母斑)7mm大

ほくろbefore
ほくろafter

治療名

炭酸ガスレーザー

回数

1回

費用(税込)

 全て税込表示
ほくろ 1mm以下11,000円
ほくろ 2~4mm22,000円
ほくろ 5mm以上 1mm追加ごと5,500円

リスク

再発、赤み、色素沈着が生じる場合があります。※効果には個人差があります。

ほくろ除去後の経過とアフターケア

ほくろ除去はその後のアフターケアも重要です。保険適用となる外科的除去を選んだ場合、傷口を糸で縫い合わせるため、まずは1週間後に抜糸のための通院が必要となります。

その後も傷が広がったり盛り上がったりするのを防ぐため、抜糸後3ヶ月ほどはテーピングを行います。

治療後のダウンタイムと傷跡の赤みについて

レーザー治療であっても切開法であっても、治療後は皮膚の一部が欠損したような状態になります。そのため、治療後1週間から2週間ほどは患部が少し凹むことがあります。

また、新しい皮膚ができる過程でピンク色や赤色の状態になることがありますが、3ヶ月ほどかけて徐々に白っぽくなり、半年ほどで目立たなくなることがほとんどです。

再発を防ぎきれいに治すために気をつけたいこと

ほくろの再発を防ぎ、傷跡をきれいに治すためには、何よりも紫外線対策と患部への刺激を避けることが欠かせません。

施術後のデリケートな肌に紫外線が当たると、メラニンが過剰に生成され、シミのような炎症後色素沈着が残ってしまう原因となります。

また、気になるからといって患部を触ったり、かさぶたを無理に剥がしたりするのも厳禁です。刺激は炎症を長引かせ、傷跡が残るリスクを高めます。

ほくろ除去が保険適用になる条件

ほくろ除去の費用が保険適用になるかどうかは、その施術が「病気や障害の治療」を目的としているか、それとも「美容」を目的としているかによって決まります。

これは、日本の公的医療保険制度では、日常生活に支障をきたす病気や怪我を治すための医療行為に対してのみ保険が適用されるというルールがあるためです。

保険診療が適用されるケース

保険診療が適用されるのは、次のようなケースです。

  • 視覚障害や摩擦など、日常生活に具体的な支障がある
  • メラノーマなどの悪性腫瘍の疑いがある

例えば、まぶたの近くに大きなほくろがあって視界を妨げている、髭剃りの際に刃が当たって出血を繰り返す、あるいは衣服の着脱時に引っかかって痛みがある場合などが対象です。

また、皮膚がんの一種であるメラノーマなどの疑いがあり、組織を検査する必要がある場合も保険適用となります。ただし、炭酸ガスレーザーによる除去は自由診療です。

自由診療(自費)になるケース

自由診療になるのは、次のように医学的な緊急性や不都合がなく、見た目の美しさを改善することを主な目的として行う施術です。

  • 美容目的やコンプレックスの解消が目的の場合
  • 傷跡の仕上がりや特定の手法にこだわりたい場合

この場合は、保険適用外となり自由診療になります。保険は使えないものの、炭酸ガスレーザーなどの治療法も選択が可能です。

当院のほくろの治療方針について

当院では、ほくろの性質や形状、患者さまのご希望に応じて最適な治療法を選択しています。 
皮膚科専門医によるダーモスコピーによる確認の上、治療を行います。 
単なる美容目的だけでなく、皮膚がんの可能性など健康面のリスクもきちんと評価したうえで、安全で確実な治療をご提案いたします。 
治療後のアフターケアや色素沈着予防のご案内まで丁寧にサポートいたします。お気軽にご相談ください。

ほくろの除去なら新宿駅前IGA皮膚科クリニック

当院では、ダーモスコピーを用いた事前の精密な診断を行っています。これにより、目視では判断が難しい良性のほくろと悪性腫瘍を的確に見極め、安全性を確保した治療計画を立案しています。

治療方法についても、傷跡を最小限に抑える炭酸ガスレーザー治療から、保険適用となる外科的な切除まで幅広く対応しており、患者さまの予算や「きれいに治したい」という希望に寄り添うことが可能です。

新宿で信頼できる皮膚科をお探しなら、ぜひ当院のカウンセリングにお越しください。

ほくろ除去に関するよくある質問

ここでは、当院を受診された患者さまから多く寄せられる質問をまとめました。

炭酸ガスレーザーと外科的除去はどちらがいいですか?

ほくろの大きさ、傷跡を残したくないなどの優先順位によって最適な治療法が異なります。

直径が6mm以下の小さく平らなほくろであれば炭酸ガスレーザー、サイズが大きいものや盛り上がっているものは外科的除去が推奨されます。

痛みはどのくらいありますか?

施術中の痛みについては、局所麻酔を使用するため、ほとんど感じることはありませんのでご安心ください。施術後の痛みに関しても、少しヒリヒリする程度であることがほとんどです。

子どものほくろも除去できますか?

お子さまのほくろ除去も可能ですが、ご本人が施術中にじっとしていられるかどうかが判断基準となります。

施術中は数分間動かずにいる必要があるため、一般的には小学生高学年くらいからが目安とされています。

一度取ったほくろが再発することはありますか?

一度取ったほくろが再発する可能性はゼロではありませんが、適切な手法を選べばリスクを最小限に抑えられます。再発してしまった場合でも、再度レーザーを当てるなどの対処が可能です。

ほくろ除去は自分でできますか?

ほくろを自分で除去しようとする行為は非常に危険ですので行わないでください。

カッターや針を使ってほくろを削ろうとすると、傷口から細菌が入ってひどく化膿したり、治った後もクレーターのような深い凹みやケロイド状の跡が残ったりする可能性があります。

ほくろ除去クリームに効果はありますか?

市販されているほくろ除去クリームの使用は推奨されません。誤った使い方をすると、皮膚が赤くなったり、色素沈着を起こしたりする恐れがあります。

ほくろ除去後のメイクや入浴はいつからできますか?

当日のシャワーや入浴は可能ですが、メイクはかさぶたが施術から1~2週間経ってかさぶたが取れてから行えます。

未承認医薬品等に関するご案内

・未承認医薬品であることの明示
本施術に使用する医薬品は、医薬品医療機器等法上、未承認医薬品です。

・入手経路等の明示
施術に用いる医薬品および機器は、当院医師の判断の元、国内輸入販売代理店を通じて個人輸入手続きを行ったものです。

・国内の承認医薬品等の有無の明示
同一の性能を有する国内承認医薬品・医療機器はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報の明示
諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修:

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業