ニキビとは

ニキビ

ニキビは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれ、皮脂腺のある部位に炎症を伴ってできる皮膚の慢性的な疾患です。
思春期のシンボルとして知られることが多いですが、実際には10代だけでなく20代以降の大人にも多く見られ、年代や肌質にかかわらず発症する可能性があります。

主に顔、胸元、背中など、皮脂腺が発達している部位に発生しやすく、白く盛り上がった小さなできものや赤く腫れて痛みを伴うもの、膿がたまったものなど、さまざまなタイプがあります。
単なる一時的な吹き出物とは異なり、慢性化しやすく、放置すると色素沈着やニキビ跡(瘢痕)を残すことがあるため、早めの治療が大切です。

症状の不快感に加え、見た目の問題もあり、ニキビはストレスになりやすく、心理的な負担にもなります。
ニキビでお悩みの方は、当院にて皮膚科専門医に、お早めにご相談ください。

ニキビの症状

ニキビは、皮脂や角質が毛穴に詰まることで始まり、初期には「白ニキビ」と呼ばれる小さな白っぽいふくらみが見られます(閉鎖面皰)。
これが進行すると、毛穴の中の皮脂が酸化して黒く見える「黒ニキビ」になります(開放面皰)。
これらの段階では炎症はなく、見た目の違和感はあっても痛みはほとんどありません。

そのまま放置していると、毛穴の中でアクネ菌という常在菌が増殖し、炎症を起こして「赤ニキビ」へと進行します(丘疹)。
炎症がさらに悪化すると、膿がたまって「黄ニキビ」となり、痛みや腫れを伴います(膿疱)。
最終的に組織が破壊されてしまうと、皮膚にクレーター状の陥没や色素沈着といった「ニキビ跡」が残ることがあり、回復するまでに長い時間を要することもあります。

このように、ニキビは時間とともに悪化していく性質があるため、初期の段階で適切にケアを行うことが非常に重要です。
特に繰り返し同じ部位にできる場合や数が増えてきた場合には、早めに皮膚科で診断を受け、根本的な治療を始めることが望まれます。

ニキビの原因

ニキビの主な原因は、皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり、そして皮膚の常在菌であるアクネ菌の増殖による炎症です。
これらは互いに影響し合いながら進行していくため、複合的なアプローチが求められます。

まず、思春期に起こるホルモンバランスの変化により、皮脂腺の活動が活発になります。
この皮脂が毛穴にたまりやすくなると、同時に毛穴周囲の角質細胞が異常に増殖して剥がれ落ち、毛穴がふさがれてしまいます。
こうしてできた皮脂と角質の“栓”の中でアクネ菌が増殖し、炎症を引き起こします。

大人のニキビでは、ストレスやホルモンバランスの乱れが強く関与しているケースが多く、女性では生理前や不規則な生活リズムがきっかけとなることもあります。
また、ストレスのほか、睡眠不足、食生活の乱れ、便秘、化粧品や紫外線などの外的要因もニキビを悪化させる要因になります。
さらに誤ったスキンケアや過剰な洗顔、毛穴を塞ぐタイプのファンデーションなども毛穴詰まりを助長する原因となることがあります。

ニキビの治療

ニキビの治療は、その進行度や肌質、発症の原因に応じて、複数の治療を組み合わせながら行います。
当院では、保険診療の範囲内でもさまざまな効果的な治療法を用意し、症状の改善だけでなく、再発の予防やニキビ跡の予防を目指した治療も行っています。

まず薬物治療としては、炎症の有無や重症度、皮疹の種類(面皰・膿疱など)、皮膚の状態に応じて薬剤を使い分けていきます。

面皰(白ニキビ・黒ニキビ)の段階に対しては、角質のつまりを改善する外用レチノイドが有効で、ディフェリンゲル(アダパレン)やエピデュオゲル(アダパレン+過酸化ベンゾイル)が保険適用で処方されます。
また、ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)も有効です。
過酸化ベンゾイルはベピオゲル以外に、ベピオローションとベピオウォッシュゲルがあります。
ベピオローションはベピオゲルよりも乾燥しづらく、またベピオウォッシュゲルは洗い流すタイプの過酸化ベンゾイルで、敏感肌で過酸化ベンゾイルが使いづらい場合に使用します。

これらは皮膚の乾燥や刺激感を伴いやすいため、開始時は少量塗布から導入し、保湿剤との併用が推奨されます。
塗るタイミングはスキンケアの最後です。維持療法としても使用されます。

炎症性ニキビ(赤ニキビ・黄ニキビ)では、抗菌作用をもつ外用薬が用いられます。
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)やデュアック配合ゲル(クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル)は代表的で、細菌の増殖を抑え、角質の排出も助けます。
刺激症状に注意し、目元や口元などは避けて塗布します。

その他、抗生剤の外用剤として、アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)、ゼビアックスローション(オゼノキサシン)、ダラシンゲル(クリンダマイシン)も使用されます。

重症例や広範囲の場合には内服治療が追加されることもあります。
抗生物質であるミノマイシン(ミノサイクリン)やビブラマイシン(ドキシサイクリン)などのテトラサイクリン系抗菌薬が第一選択ですが、漫然と続けることは耐性菌のリスクとなるため、症状改善次第速やかに外用治療に切り替えます。
内服抗菌薬の投与は
3ヶ月までとし、6~8 週目に再評価して継続の可否を判断することが推奨されています。

また、ニキビにステロイドの外用はニキビの悪化につながるため推奨されませんが、ニキビ跡のしこりや嚢腫内注射にステロイド局所注射、ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)が行われることがあります。

保険診療ではこれらの外用・内服薬を組み合わせ、皮脂の分泌抑制・毛穴の詰まり改善・炎症のコントロールを段階的に行います。
内服薬に関しては、副作用や一緒に服用してはいけないお薬がありますので、医師の指示に従ってください。

また、重症・難治性ニキビに対する最後の「切り札」としてイソトレチノイン内服も選択肢となります。
イソトレチノインは皮脂腺を縮小させて皮脂分泌を抑制し、毛穴詰まりを改善、抗炎症作用によりニキビの根本的な改善を図ります。
ただし、日本では未承認のため保険適用外で自費診療となります。
副作用として催奇形性があるため、女性は服用前1ヶ月、服用中とその後6ヶ月間は避妊が必要です。
男性は服用中および終了後1ヶ月の避妊が必要です。
肝機能障害、皮膚乾燥、精神症状などの副作用もあるため、医師の厳重な管理下での使用が必要です。

また、女性ではホルモンバランスの乱れが関与する場合があり、ヤーズなど、いくつかの低容量ピルはニキビに対してFDAの承認を取得していますが、保険適応外となります。
スピロノラクトンも抗アンドロゲン作用があり、有効です。
また、多嚢胞性卵巣症候群とニキビの関連が知られおり、月経不順がある場合は婦人科で精査が必要です。

ニキビ跡

ニキビを放置していると、炎症が進行し、炎症後紅斑(赤み)、炎症後色素沈着(茶色・黒色のシミ)、陥凹性瘢痕(クレーター状の凹み)といった難治性のニキビ跡が残る可能性が高まります。
これらのニキビ跡は一度形成されると自然には治りにくく、保険適応外の専門的な治療が必要になります。
そのため、ニキビが軽度のうちに皮膚科を受診し、早期に適切な治療を行うことが、非常に重要です。

当院ではニキビ跡に対しても、光治療(ステラM22)、サブシジョン、トライフィルプロ、注入治療など皮膚科専門医の観点からニキビ跡に対して複数の治療を組み合わせ、最適な提案をいたします。

ニキビとは

ニキビ

ニキビは、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれ、皮脂腺のある部位に炎症を伴ってできる皮膚の慢性的な疾患です。
思春期のシンボルとして知られることが多いですが、実際には10代だけでなく20代以降の大人にも多く見られ、年代や肌質にかかわらず発症する可能性があります。

主に顔、胸元、背中など、皮脂腺が発達している部位に発生しやすく、白く盛り上がった小さなできものや赤く腫れて痛みを伴うもの、膿がたまったものなど、さまざまなタイプがあります。
単なる一時的な吹き出物とは異なり、慢性化しやすく、放置すると色素沈着やニキビ跡(瘢痕)を残すことがあるため、早めの治療が大切です。

症状の不快感に加え、見た目の問題もあり、ニキビはストレスになりやすく、心理的な負担にもなります。
ニキビでお悩みの方は、当院にて皮膚科専門医に、お早めにご相談ください。

ニキビの症状

ニキビは、皮脂や角質が毛穴に詰まることで始まり、初期には「白ニキビ」と呼ばれる小さな白っぽいふくらみが見られます(閉鎖面皰)。
これが進行すると、毛穴の中の皮脂が酸化して黒く見える「黒ニキビ」になります(開放面皰)。
これらの段階では炎症はなく、見た目の違和感はあっても痛みはほとんどありません。

そのまま放置していると、毛穴の中でアクネ菌という常在菌が増殖し、炎症を起こして「赤ニキビ」へと進行します(丘疹)。
炎症がさらに悪化すると、膿がたまって「黄ニキビ」となり、痛みや腫れを伴います(膿疱)。
最終的に組織が破壊されてしまうと、皮膚にクレーター状の陥没や色素沈着といった「ニキビ跡」が残ることがあり、回復するまでに長い時間を要することもあります。

このように、ニキビは時間とともに悪化していく性質があるため、初期の段階で適切にケアを行うことが非常に重要です。
特に繰り返し同じ部位にできる場合や数が増えてきた場合には、早めに皮膚科で診断を受け、根本的な治療を始めることが望まれます。

ニキビの原因

ニキビの主な原因は、皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり、そして皮膚の常在菌であるアクネ菌の増殖による炎症です。
これらは互いに影響し合いながら進行していくため、複合的なアプローチが求められます。

まず、思春期に起こるホルモンバランスの変化により、皮脂腺の活動が活発になります。
この皮脂が毛穴にたまりやすくなると、同時に毛穴周囲の角質細胞が異常に増殖して剥がれ落ち、毛穴がふさがれてしまいます。
こうしてできた皮脂と角質の“栓”の中でアクネ菌が増殖し、炎症を引き起こします。

大人のニキビでは、ストレスやホルモンバランスの乱れが強く関与しているケースが多く、女性では生理前や不規則な生活リズムがきっかけとなることもあります。
また、ストレスのほか、睡眠不足、食生活の乱れ、便秘、化粧品や紫外線などの外的要因もニキビを悪化させる要因になります。
さらに誤ったスキンケアや過剰な洗顔、毛穴を塞ぐタイプのファンデーションなども毛穴詰まりを助長する原因となることがあります。

ニキビの治療

ニキビの治療は、その進行度や肌質、発症の原因に応じて、複数の治療を組み合わせながら行います。
当院では、保険診療の範囲内でもさまざまな効果的な治療法を用意し、症状の改善だけでなく、再発の予防やニキビ跡の予防を目指した治療も行っています。

まず薬物治療としては、炎症の有無や重症度、皮疹の種類(面皰・膿疱など)、皮膚の状態に応じて薬剤を使い分けていきます。

面皰(白ニキビ・黒ニキビ)の段階に対しては、角質のつまりを改善する外用レチノイドが有効で、ディフェリンゲル(アダパレン)やエピデュオゲル(アダパレン+過酸化ベンゾイル)が保険適用で処方されます。
また、ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)も有効です。
過酸化ベンゾイルはベピオゲル以外に、ベピオローションとベピオウォッシュゲルがあります。
ベピオローションはベピオゲルよりも乾燥しづらく、またベピオウォッシュゲルは洗い流すタイプの過酸化ベンゾイルで、敏感肌で過酸化ベンゾイルが使いづらい場合に使用します。

これらは皮膚の乾燥や刺激感を伴いやすいため、開始時は少量塗布から導入し、保湿剤との併用が推奨されます。
塗るタイミングはスキンケアの最後です。維持療法としても使用されます。

炎症性ニキビ(赤ニキビ・黄ニキビ)では、抗菌作用をもつ外用薬が用いられます。
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)やデュアック配合ゲル(クリンダマイシン+過酸化ベンゾイル)は代表的で、細菌の増殖を抑え、角質の排出も助けます。
刺激症状に注意し、目元や口元などは避けて塗布します。

その他、抗生剤の外用剤として、アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)、ゼビアックスローション(オゼノキサシン)、ダラシンゲル(クリンダマイシン)も使用されます。

重症例や広範囲の場合には内服治療が追加されることもあります。
抗生物質であるミノマイシン(ミノサイクリン)やビブラマイシン(ドキシサイクリン)などのテトラサイクリン系抗菌薬が第一選択ですが、漫然と続けることは耐性菌のリスクとなるため、症状改善次第速やかに外用治療に切り替えます。
内服抗菌薬の投与は
3ヶ月までとし、6~8 週目に再評価して継続の可否を判断することが推奨されています。

また、ニキビにステロイドの外用はニキビの悪化につながるため推奨されませんが、ニキビ跡のしこりや嚢腫内注射にステロイド局所注射、ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)が行われることがあります。

保険診療ではこれらの外用・内服薬を組み合わせ、皮脂の分泌抑制・毛穴の詰まり改善・炎症のコントロールを段階的に行います。
内服薬に関しては、副作用や一緒に服用してはいけないお薬がありますので、医師の指示に従ってください。

また、重症・難治性ニキビに対する最後の「切り札」としてイソトレチノイン内服も選択肢となります。
イソトレチノインは皮脂腺を縮小させて皮脂分泌を抑制し、毛穴詰まりを改善、抗炎症作用によりニキビの根本的な改善を図ります。
ただし、日本では未承認のため保険適用外で自費診療となります。
副作用として催奇形性があるため、女性は服用前1ヶ月、服用中とその後6ヶ月間は避妊が必要です。
男性は服用中および終了後1ヶ月の避妊が必要です。
肝機能障害、皮膚乾燥、精神症状などの副作用もあるため、医師の厳重な管理下での使用が必要です。

また、女性ではホルモンバランスの乱れが関与する場合があり、ヤーズなど、いくつかの低容量ピルはニキビに対してFDAの承認を取得していますが、保険適応外となります。
スピロノラクトンも抗アンドロゲン作用があり、有効です。
また、多嚢胞性卵巣症候群とニキビの関連が知られおり、月経不順がある場合は婦人科で精査が必要です。

ニキビ跡

ニキビを放置していると、炎症が進行し、炎症後紅斑(赤み)、炎症後色素沈着(茶色・黒色のシミ)、陥凹性瘢痕(クレーター状の凹み)といった難治性のニキビ跡が残る可能性が高まります。
これらのニキビ跡は一度形成されると自然には治りにくく、保険適応外の専門的な治療が必要になります。
そのため、ニキビが軽度のうちに皮膚科を受診し、早期に適切な治療を行うことが、非常に重要です。

当院ではニキビ跡に対しても、光治療(ステラM22)、サブシジョン、トライフィルプロ、注入治療など皮膚科専門医の観点からニキビ跡に対して複数の治療を組み合わせ、最適な提案をいたします。

ニキビのスキンケア・ホームケア

外用治療、内服治療のほかに、日常のスキンケア指導も治療の一環として重要です。
ニキビの悪化要因の一つとして不適切な保湿、過剰な保湿も指摘されています。
また、植物油が多く含まれている乳液やクリームはニキビの悪化となることが知られていますので、ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品を選ぶようにしましょう。
また、ニキビ治療中はお肌が敏感になりやすいため、低刺激なスキンケアも大切になってきます。
またニキビは過剰な皮脂が原因の1つとされるため、洗顔は1日2回行いましょう。

当院では、洗顔方法や保湿の仕方、使用すべき化粧品の選び方などについても丁寧に説明し、再発しにくい肌づくりをサポートしています。
治療は根気強く続けることが大切です。
医師の指導のもと適切に継続することが重要です。

当院では保険診療から自費診療までニキビ治療・ニキビ跡治療を行っています。
またスキンケア指導にも力をいれています。ぜひお気軽にご相談ください。

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子

監修:

新宿駅前IGA皮膚科クリニック 院長 伊賀 那津子
日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業